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退職時、手続き忘れで「DC難民」に 資産は減る一方

6/26(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 確定拠出年金(DC)関係者の間で「DC難民」と呼ばれる人たちがいる。新たに積み立てできず、費用が引かれ続ける「自動移管者」と「運用指図者」だ。3月末で合計約115万人と個人型DC(iDeCo、イデコ)加入者の2.7倍にのぼる。不利な状態を脱するには早期のイデコ加入が大切だ。
 イデコ加入者は毎月掛け金を拠出でき、全額が所得控除になり税金が減る。節税額は「税率×拠出額」なので税率(所得税と住民税の合計)20%の人が年に24万円拠出すると4万8000円だ。また運用期間中は運用益が非課税なので効率的に増やせる。
 昨年まで対象が自営業者や企業年金のない会社員などに限られていたが、今年から現役世代の原則全員に拡大。5月末の加入者は50万人超と、昨年末(31万人弱)より大幅に増えた模様だ。

■資産増えず手数料

 自動移管者とは企業型DCに加入していたが転退職後、6カ月以内にイデコ加入などの手続きをしなかった人。資産は自動的に現金化されイデコ運営主体の国民年金基金連合会(国基連)に移される。
 運用されず資産が増えないが、手数料は年に612円引かれる。自動移管者は3月末で約65万人弱で5年前の2倍に増えた。昨年3月末で自動移管の約4割は手数料などですでに資産がゼロ。資産がある残り6割の1割以上は100万円以上で、総額は1400億円超になっている。
 退職時に会社から十分な説明を受けられず放置した人が多い。7年前まで会社員で企業型DCに加入していた自営業Aさん(43)はイデコに関心を持って調べた結果、資産約90万円が自動移管になっていると知った。「埋蔵金を見つけたようでうれしかった」

 自動移管から加入者になるには金融機関を選んで手続きをすればいい。「ただし自動移管になる際と新たに加入する際に余分な費用もかかるので、本来は退職後6カ月以内にきちんと加入手続きをすべきだ」(ファイナンシャルプランナーの福島えみ子氏)
 一方の運用指図者は金融機関にイデコ口座はあるが、新たな積み立てができず運用だけを続ける人だ。掛け金拠出に伴う節税効果が得られない。平均資産は昨年3月末で約174万円と、加入者の平均(約154万円)を上回る。
 昨年まで個人型DCの加入対象は限られていたので、元企業型DC加入者が6カ月以内に手続きをしても指図者しか選べないことも多かった。個人型の元加入者が企業年金のある会社に就職して加入資格を失い、やむなく指図者になることもあった。今は原則全員が入れるので指図者から加入者へ転換手続きしたい。

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最終更新:6/26(月) 7:47
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