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84才記憶力の超人、妻の介護で気づく「家事は究極の脳トレ」

6/26(月) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 円周率4万桁を諳(そら)んじる84才の男性がいる。円周率4万桁暗唱に成功した元ギネス記録保持者で、ルービックキューブを目隠しで揃える競技の世界最高齢記録を持つ、友寄英哲(ともよりひであき)さんだ。そんな“スーパーエイジャー”の友寄さんの記憶力を語る上で欠かせないのが、家族の存在である。

 彼は社会人になって数年後に結婚。長女にも恵まれ、夫が暗唱する円周率が本当に正しいかどうか、妻が読み合わせをして確かめる幸せな日々を過ごした。4万桁の暗唱を達成した時は、家族が心から祝福してくれたという。だがその後、妻を不幸が襲った。

「がんが見つかりましてね…。すい臓にも転移していて、気づいた時は手遅れだった。発覚から1年後に亡くなりました」(友寄さん)

 失意の生活から立ち直ったのは、数年後のこと。ある勉強会で、気の合う1人の女性に出会う。それが現在の妻、光子さん(72才)だった。12才年下の彼女は当時、大手食品メーカーに勤めていた。

「笑顔が素敵で、私の一目ぼれです(笑い)。人生観や食事、読む本などがピタリと一致する理想的な女性でした」(友寄さん)

 ふたりは1991年に結婚。光子さんは初婚だったが、娘との関係もよく、平穏な日々が続いた。

「お互い旅行が大好きで、ロシアやイスラエルなど、普通の人が行かないような地域まで、毎年のように夫婦で旅行に出かけました」(友寄さん)

 彼女の古希の祝いには、7本の薔薇とふたりの軌跡を振り返る家族新聞をプレゼントした。俳句を嗜む光子さんからは「夫活けし古希の七つの冬薔薇」という一句がお返しに詠まれた。毎晩寝る前に「今日もありがとう」とハイタッチをする、相思相愛の夫婦だった。

 だが結婚25年目の2015年12月、光子さんを試練が襲った。

「朝起きて顔を洗っていると、家内がバタンと崩れるように倒れたのです。起き上がろうとしても、手が動かず起き上がれない。ただごとではない、とすぐに救急車を呼びました」(友寄さん)

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