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詐欺被害者の8割近くが70代以上、最大の防御法は「電話に出ない」

6/26(月) 14:00配信

週刊女性PRIME

「都内では被害者の79%が70代以上の高齢者で、そのうち77%が女性です」

 と、警視庁犯罪抑止対策本部特殊詐欺対策第一担当管理官の山上嘉人警視。その手口は、高齢者の心の隙をついたものが多いというから悪質だ。老後の不安から、少しでもお金があったらいいなという気持ちをついた「還付金詐欺」、息子や孫への愛につけ込む「オレオレ詐欺」、大手企業や公的機関への信頼感を逆手にとる「デパート、警察等のなりすまし詐欺」などが目立つ。

 なかでもオレオレ詐欺の手口は巧妙化。数人で役割を演じ分け、寄ってたかって騙しにかかる『劇場型』と呼ばれる手法で被害に遭うケースが多発している。

 詐欺・悪徳商法評論家の多田文明さんによれば、

「被害者1人に対し、詐欺集団は数人がかりで次々と電話をかけてきます。例えば、まず息子役が“母さん、助けて、会社の金を使い込んでしまった”などと電話をかけてきて、次に上司役が登場。激しく怒ったり、逆に“息子さんは有望だからクビにしたくない。半分は私が工面しますから”などとやさしくしたり、被害者の反応によって演じ分ける。さらに同僚や公的機関を名乗る者が現れたりすることもあります」

 その演技力たるや、もう見事なもの! 加えて最近は、「オレオレ」ではなく、きちんと息子の名前を名乗り、家庭の事情も把握したうえで騙しにかかるケースも多い。オーダーメードで展開されるストーリーに迫真の演技で、いつの間にか騙されてしまうという。

信頼できる機関だと思ったら……

 この1年で、オレオレ詐欺以上に認知件数が著しく伸びているのが還付金詐欺だ。

「都内での被害状況をみると、昨年はすべての特殊詐欺のうち9%だったのが、今年1~4月の時点で22%を占めています。自治体の職員を装い、“払いすぎた医療費の過払い金の還付が受けられます”などとATM操作を電話で指示しながら、お金を振り込ませるのが主な手口です。

 最近では、発覚を防ぐために犯人が無人のATMを指定する事案も増えてきています」(山上警視)

 先月’16年の還付金詐欺被害が全国ワーストとなった大阪では、携帯電話で話しながらATM操作をしている70代女性を不審に思い声をかけ、電話を代わった警察官までもが騙され100万円を奪われるほど巧妙なケースも発生している。

「最近の傾向として、犯人は警察官に電話を代わってもまったく慌てたそぶりを見せず、丁寧な口調で話し続けます」

 と山上警視。悪びれもせず堂々と罪を犯す詐欺師に、捜査のプロまでもが騙されてしまうということか。それでも、「原則、自治体や銀行が、わざわざお金を戻す連絡をしてくることなどありません」(山上警視)とのポイントを押さえておけば、被害を未然に食い止められる。

 そして、むやみな親切は疑うに限る。今年5月、タレント坂上忍の母・淳子さんが「デパートなりすまし詐欺」の犯人逮捕にひと役買い、話題を集めた。

 突然、デパートの社員をかたる男から次々と「あなたのカードが不正に使われています」「銀行のキャッシュカードも危ない」と電話が入り、ひいては「キャッシュカードの暗証番号を変えなければ」「代行します、今から10分ほどで伺います」と言う。わざわざ、しかもすぐに来てくれるなんておかしいと気づいた淳子さんは警察に連絡した。

「警察官が淳子さんの自宅で待機。キャッシュカードを取りに来た受け子を現行犯逮捕しました」(山上警視)

 こうした“なりすまし”は警察、役所をかたる場合もあるため要注意。

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最終更新:6/26(月) 14:00
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