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「職人」のイメージを覆す独学のガラスペン職人・川西洋之氏(川西硝子)

6/26(月) 19:01配信

エイ出版社

メイドインジャパンの発明品“ガラスペン”の魅力

その可憐な姿と独特の書き味が、文房具好きに大人気のガラスペン。一見するとヨーロッパ発祥の古来からある筆記具のような佇まいをしていながら、実は日本の風鈴職人が生んだ正真正銘・メイドインジャパンの発明品だ。

【動画】川西硝子ガラスペン制作工程

なかでも圧倒的な書き味の良さで知られる川西硝子のガラスペンは、多くの文具好きにとっても憧れの存在。そのガラスペンを作り出す凄腕の職人・川西洋之さんとはどんな人物なのか? その意外な人物像を、文具専門誌『趣味の文具箱』の清水編集長が語る。

老練で無口な職人かと思ったら……

川西洋之さんと初めてお会いしたのは、大阪の筆記具イベントの会場だった。凄いガラスペンを作る職人が出てきた、という噂はすでに耳にしていた。1000度を超える炎と真剣に対峙する老練で無口な職人をイメージしていた。

「はじめまして」と目の前に表れた川西さんは、70年代のヒッピーのような雰囲気だった(後のインタビューで20代の川西さんは、南米、東南アジアなどの奥地をずっと旅していたこともわかった)。

「まだ技術は完璧ではなくて、もっといいものを目指している途上なんです~」とあの笑顔で手渡されたガラスペン矢絣は、見たこともないような羽根の模様が軸に入った美しい佇まいをしていた。そしてペン先がでかい! さらに溝の迫力が凄い。聞くと、限り無く深い溝を緻密に12本入れているという(※通常のガラスペンは8本だが、川西さんのものはその卓越した技術で、深い12本の溝が切ってある)。

どこから眺めてみても「書いてみたい」と思わせるペン先

先端は紙やすりを使って丹念に仕上げているという。10倍ルーペで見ると12本の深い溝が先端に向かって、きっちり同じ角度、同じ深さで集約されている。さらに紙面に接触する先端は絶妙の角度で丸く研がれている。

どこから眺めてみても「書いてみたい」と思わせる魅力に満ちていた。そしてインクをつけ、紙面を走らせてみると、ガラスペンの概念を超えるスムーズな感触、そしてガラスならではの硬質で斬新な書き味が指に響いてきた。そしてインクがなかなか切れない。聞くと500字くらいは書けるという。

21世紀型のガラスペン現る! こんな見出しが頭に浮かんだ。「ぜひ工房で作っている現場を見せてください!」とお願いした。かくして、「川西硝子」と『趣味の文具箱』のコラボによるガラスペン。『川西硝子×趣味の文具箱 オリジナルガラスペン 趣味の文具箱限定ブルー』は誕生することになったのである。

●清水 茂樹(『趣味の文具箱(略称:趣味文)』編集長)
1965年、福島県会津若松市生まれ。2004年より文具情報誌「趣味の文具箱」編集長。「ステーショナリーマガジン」「ノート&ダイアリースタイルブック」も手掛ける。ソリッドな黒軸、ネイビーブルー色のインク、風合いが育つ革、手のひらサイズなどが大好き。

(出典:『趣味文CLUB』)

ヨシザワ

最終更新:6/26(月) 19:01
エイ出版社