ここから本文です

キャリアを考える2つのキーワード 「アンカー」と「サバイバル」って?

6/26(月) 15:22配信

日経BizGate

“キャリア“には2つの意味

 “キャリア“とは一体何だろうか? 実はこの「キャリア」という言葉にあてはまる日本語はなかなか見当たらない。「キャリアプラン」や「キャリアアップ」といった表現はよく耳にするが、日本語に訳すのは難しい。

 この日本語に訳しにくい“キャリア“には2つの意味が込められている。1つは「経歴・職歴」といった客観的な面、もう1つは「仕事を通じて自分がこうなりたい」という主観的な面である。自分のこれまでを振り返る、または、将来をイメージしながら、自分は何が好きで、どんなことができるのか? 自分はどんなときにやりがいを感じて、どのようになりたいのか? といったことをイメージすることが、「自分のキャリアを考える」ということだ。

 では、なぜ“キャリア“を考える必要があるのか? 会社の一員となって定年まで働くとした場合、私たちは、76,800時間(1日8時間×月20日×12ヵ月×40年間)もの時間を仕事に費やす。これだけ多くの時間を費やすのであれば、仕事を通じてどのような自分であり続けたいか? どのように仕事と向き合っていきたいか? というイメージを持ち、少しでも自分らしい働き方をした方がよい。

 会社が働く社員の一生を保障してくれる時代ではない。働く人も自分のキャリアを会社任せにしておくわけにはいかない。「自分がなりたい姿を考え、今後のキャリアを自分で決める」。働く私たちには今そういう意識が求められているのだ。

“キャリア“を考えるための3つの問い

 新入社員になったばかりの皆さんにとって、“キャリアを考える“と言われても、なかなか具体的なイメージを描くことは難しいかもしれない。今はまだ自分の足元をしっかり見つめる時期ではあるが、いずれある段階では自分の足元の少し先に目線を置こうとしてみることも重要だ。自分のキャリアを考えるきっかけとするために、次の3つの質問を自分自身に投げかけてみることが有効だ(図1)。

 キャリアを考える上での1つ目の質問、「自分が得意なことは何か?」とは、要するに「自分の強み」を意識することだ。「強み」とは、(1)もともと自分自身が備えている先天的なものと、(2)仕事を通じて後天的に身に付けたものの2つに大別され、前者は「難しい問題を解決するのが好き」「相手の気持ちを汲み取れる」「知らない人ともすぐに親しくなれる」といったものであり、後者は「PCを素早く操作できる」「統計の知識がある」「プレゼンがうまい」といったものである。

 (1)は見えにくく、(2)は見えやすい。自分の「強み」を探そうとすると、どうしても(2)に目が行きがちだが、重要なのは(1)と(2)がうまくかみ合っているかどうかだ。「人と話すことが好き」な営業担当者が「説得力」や「交渉のスキル」を身に付けると大きな「強み」となる。逆に、いくら(2)の要素を豊富に身に付けていたとしても、(1)の要素とかみ合っていなければ本当の「強み」として活かせないこともある。自らの強みを自覚し、把握しておくことは、自分らしいキャリアを考える上で第一歩となる。

 キャリアを考える上での2つ目の質問、「自分がやりがいを感じることは何か?」とは自分の仕事に対するモチベーションの源泉を意識することだ。「お客様に感謝されること」「チームで物事を成し遂げること」「難しい仕事をやりとけること」......人によってやりがいを感じる対象は様々である。新入社員の皆さんにとって「仕事のやりがい」を感じられる機会はまだ少ないかもしれないが、自分が「この仕事をしていてよかった」と思える瞬間があれば、それがどのような場面だったか意識してみてほしい。

 そして、キャリアを考える上での3つ目の質問、「自分がやりたいことは何か?」だが、これは新入社員の皆さんにとって最も難しい質問かもしれない。現在の仕事、上司や先輩社員の仕事、他部門の友人の仕事を眺めながら、自分がやりたいことや、なりたいイメージに近いものが何かを考えてみることだ。この3つ目の質問に回答が出せるようになるには時間がかかるため、今はまだ自信を持った回答が出せなくても構わない。重要なのは、これら3つの質問を折に触れて自分に問いかけてみることだ。

1/2ページ

最終更新:6/26(月) 15:22
日経BizGate

記事提供社からのご案内(外部サイト)

日経BizGate

日本経済新聞社

・ビジネスで直面する課題を解決!
・人事・組織からマーケティング、ITまで
・専門家の知見や洞察に富んだコラム満載
・マネジメント層の情報ニーズに応えます