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ケント・ギルバート 娘の不登校に悩む父親に贈ったアドバイス

6/26(月) 12:13配信

PHP Online 衆知(Voice)

 私は子供たちに、できるだけ早く自分で判断基準を考える習慣をもたせることこそ、教育のいちばんのポイントだと考えています。そうした判断能力が身に付くベースとして大事なのが、じつは自尊心なのです。生きるうえで自尊心が必要なのは、プロアクティブになるため、つまり何事も主体的に行動できる人間になるためです
 逆に自尊心がないと、他人の顔色をうかがってばかりのつまらない人生を送ることになるでしょう。主体性も判断力もない人は、自分が望むような幸福な生活を手にすることはできません。それどころか、自分の望みとは何なのかもわからない大人になるかもしれない。
 それでは、子供が自尊心を感じられるようにするためには、どんな教育方法があるのでしょう。
 ある名門女子高で講演した際、400人近い生徒に「ここ1カ月でお母さんから『きれいだよ』といわれた人は?」という質問をしました。手を挙げたのは1人だけでした。他の生徒たちがいつも母親から何といわれているのか、最前列の生徒にインタビューしたところ、「長電話するな」「彼氏をつくるな」「食事を残すな」「服装がだらしない」といった小言ばかりだったのです。
 もともと人間は不完全な存在ですから、欠点を指摘しようとすれば、いくらでもできます。しかし、毎日のように子供に「服装がだらしない」といったところで、「申し訳ございません。いますぐ着替えてまいります」などというでしょうか。「いちいちうるさいな」と思うのがオチでしょう。こんなことを繰り返してもお互いにストレスが溜まるばかりですし、教育効果はゼロです。
 そこで、私が勧めるのが「褒め殺し作戦」です。「あなた、最近かなりきれいになったわね」と褒めてやる。すると子供は部屋に帰ったあと、鏡を見て「服装にも気を付けないと」と考え、ついでに部屋の片付けも始めるかもしれません。親というのは、子供の悪いところばかりを指摘するのではなく、少しでも良いところを見つけて伸ばしてあげるのが最大の務めなのです。頭ごなしに強制せず、いかに主体的に気付いてもらうか。それが教育における私の信念ということになります。
 日本の友人が中学校に進学したばかりの娘さんの不登校で悩んでいたので、こんなアドバイスをしました。
「たとえばコップに水が半分入っていたとします。もう半分しかないと思うか、まだ半分も残っていると思うか。あなたの気持ち次第で、将来は変わってきます。子供の教育も同じ。親が心に余裕をもって、長い目で温かく成長を見守ってあげることです」
 聞いたところでは最近、家族で伊勢神宮にお参りして、お嬢さんも久しぶりに笑顔を見せたそうです。きっと伊勢神宮には、日本人の心を癒やす何かがあるのでしょう。
 人生には挫折や不運が付きもので、そのなかでも物事の明るい面に目を向けて「この国に生まれてよかった」と思わせることも、親の務めだといえるかもしれません。「娘さんは新しい環境で戸惑っているだけだよ。そのうち慣れるよ。きっと大丈夫」といって、私はその悩める友人を慰めたのでした。
 この7月、文庫化される『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所)にも詳しく書きましたが、GHQの占領政策が許せないのは、自虐史観の植え付けによって、自尊心の源泉となる祖国への誇りを日本人から奪ったことです。戦争の勝敗の結果とはいえ、それは明らかにやり過ぎだった。いまこそ日本人は過去の呪縛から脱し、祖国の本当の歴史を自分たちの手に取り戻すべきではないでしょうか。そのとき日本は世界がうらやむような、さらに素晴らしい国になっていると思います。

(本記事は『Voice』2017年8月号、「GHQに奪われた国史と神話」から一部、抜粋したものです。続きは7月10日発売予定の8月号をご覧ください)

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