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時空を超えて現れた「昭和のスラッガー」DeNA宮崎敏郎の正体

6/26(月) 8:10配信

webスポルティーバ

■Part 1 打撃コーチも唸る独特の打撃術■

 それは「奇跡」ではなかった。交流戦の終盤に差しかかった6月15日のロッテ戦。エリアンの四球と、ロペス、筒香の連打で一死満塁とし、バッターボックスにはこの4日前に規定打席に達し、首位打者に躍り出た宮崎敏郎。カウント2-0から唐川の投じるツーシームを2球続けてカットし、5球目は高めのカーブ。思い切り振り抜いてレフトスタンドに叩き込み、ハマスタが沸き上がる。逆転の第5号はプロ初の満塁ホームランだった。

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「みんながつないでくれたのでなんとかしようと思った。奇跡です」と宮崎は振り返る。

 調子を聞けば「よくも悪くもないですね」。好調の要因は「たまたまです」。首位打者に立っても浮かれた様子はなく、「与えられたポジションを譲らず、毎日できることを積み重ねるだけです」と言葉少なに謙虚な姿勢を崩さない。シャイな性格もあるだろうが、レギュラーが確約されているわけではないという危機感を持って臨んでいる証(あかし)でもある。しかし今の活躍が、奇跡でもたまたまでもないということを周囲の関係者はみな知っている。

「もともとバットコントロールの技術が非常に高く、フォームや技術に関しては言うことがないくらい」と主に右打者を指導している小川博文打撃コーチ。

 宮崎を語る上で欠かせないのが独特なバッティングフォームだ。軸足の右足にほとんどの重心を乗せ、左足は添えるようにして踵(かかと)を浮かせている。構えのスタンスは極端に狭く、グリップは胸の下あたりの低い位置。そこから投手の始動と同じくらいのタイミングで早めに左足を高く引き上げる。小学生のころから変わらないフォームだ。 

 小川コーチは、「あまり身体が前にいかずに右の軸足を中心にその場で回ることで、ボールを引きつけられるし、変化球も見極められています。いろいろなタイプがいるけど、宮崎のタイミングの取り方では右足1本で立つような形がベスト。そこから踏み込んでいくときの、トップをつくるときの“間“の状態で、右のラインがキレイに真っ直ぐになっている。だからポイントがしっかり定まっていて、打つべき球をしっかりとらえられるんです。今はすべてにおいてベストの状態」と太鼓判を押す。

 DeNA戦中継の解説を担当している田淵幸一氏も「グリップが低めで、力まずに肩の力がストンと抜けているのがいい。右足に体重を乗せて軸回転しているから、外のボール球を追いかけないし、インコースは下半身からクルっと回って押し込める。インコースのさばき方は坂本(勇人)、山田(哲人)、宮崎あたりがリーグナンバーワンでしょうね」と絶賛する。同じく解説を務める佐々木主浩氏も「ファウルで粘れるし、狙い球の絞り方がいい」と語るなど、宮崎の類いまれなバットコントロールと選球眼を評価する声は多い。

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