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世界の平和と調和を感じる、色彩と柄の絶妙ハーモニー──SS18 Dries Van Noten

6/26(月) 17:51配信

GQ JAPAN

今回デザインはあえてシンプルに、色彩と柄は他の追随を許さない、ドリスならではのリアルクローズに注目。

【ルックを見る】ドリス ヴァン ノッテン 2018年春夏コレクション

この2シーズン、あえてシンプルな方向に表現をシフトしているドリス ヴァン ノッテン。前回はややボリュームのある外観で、90年代のデビュー間もない頃に話題 をさらったドリスの発明ともいえる「アンコン(アンコンストラクテッド)」シルエットを再現した。

その流れが継続か? と思いつつ臨んだショーで、しかし、そんな予想はあっさりと覆された。今回の、「ドリス的シンプル表現」の第1の要(かなめ)は「色彩」にあった。造形の意外性には頼らず配色に注力したのだ。

プラムパープル、セージグリーン、マッシュルームホワイト、トリュフブラック……文字を眺めているだけでも、繊細で微妙なニュアンスが伝わってくるだろう。なにしろ今回は、黄色ひとつをとっても、マスタードイエロー、マヨネーズイエロー、アンバーイエロー(琥珀に近い黄)、ザバイヨンイエローと4種。ザバイヨンとは、卵黄と白ワインを泡立てて作る、とろりとしたソースのこと。この他にもヴァニラホワイトがあるのだから、なんだか食欲まで刺激される。

そう、口に入れて味うものは、自然で体に優しいことが必須だが、今回のドリスの服は、いつもに増して着る人に優しい。何か滋味のようなものが、布を通して体に伝わってくる気分までするし、より実際的なことをいえば、カラフルなのにコーディネイトが楽、なのだ。

とにかく並ぶのは基本のアイテム。ジャケット、トレンチ、ワークシャツ、ニット、ミリタリーディテールのショートパンツ……。シャツやブルゾンに刺繍が施されることもあるが、アイテムの地色と同系色なので、組み合わせの相手を限定しない。パステル風の優しい色が並ぶが、実はどれにも霞(かすみ)がかかったような、微妙なくすみがあって同じトーンに見える。そのため、パステル同士を組み合わせても、カーキやグレーの基本色と合わせても、対比ではなく調和がある。

もとはフランスの大新聞社のビルの、駐車場のスロープを利用したランウェイを、甘く、しかも甘すぎない男のパステルが、次々と上がって来る。ああ、なんと絶妙のハーモニーだろう! そして後半は「柄」のゾーンに入る。英国調のチェックに始まり、ドットで線を描いた格子が登場。ドットはラインストーンをイメージしたもので、プリントだがビーズ刺繍めいたニュアンスがある。ゆえに、格子でもどこかフェミニンな印象。シダの葉やパームツリー、フローラルプリントなど、さまざまな柄とも相性がいい。さらに「さまざまな柄同士」も相性がいい!

ドット格子のチェック柄コートにジオメトリックな幾何学柄のニット、そしてパンツはリーフ柄。そこに、世界の調和を感じる。ファッションによる瞑想の境地!

スクエアトウのスニーカーやバロックパールのピアスなど、小物も断然光っている。

Words: Chiyumi Hioki

最終更新:6/26(月) 17:51
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