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デジタル格差解消への挑戦ーすべての人にインターネット環境を

6/26(月) 12:22配信

WIRED.jp

米国には病院の無線LAN環境を求めて夜な夜な駐車場に集い、iPhoneで論文を書く若者たちがいる。こうしたデジタル格差は米国でいまだに存在しているが、トランプ政権による低所得層向けネット接続支援の見直しといった逆風が吹く。こうしたなかあるNPOが、政府頼みにならないデジタル格差の解消と、その実現を目指して動き始めた。

【 インターネット環境がない40億人のためのPC 】

オクラホマ州タリイーナは、チョクトー族が住む「ネイション」(インディアン居留地)のど真ん中にある。

この土地には長年にわたって、毎晩のように人が集まる病院の駐車場がある。この一画で医師や患者が活動しているわけではない。自宅にインターネット環境がない地元のコミュニティカレッジの学生が駐車場に集まり、病院のネットワークにログオンして課題をこなしているのだ。

非営利団体「EveryoneOn」の代表理事であるチャイク・エガーは、2015年11月にこの場所に戻ってきたとき、車の中でiPhoneを使って研究論文を書いたという学生たちと毎晩出会ったという。

2017年の現在、インターネットにアクセスできるということは、教育を受けたり求職したり、ますますネットワーク化された世界にアクセスできることを意味する。自宅でインターネットにアクセスできないタリイーナの学生たちのような人々は、何とかやっていくためだけに、不完全な次善の策を考え出さねばならない。

政府の手を離れて支援策が動き始めた

だが最近、少なくともタリイーナでは、状況ががらりと変わってきた。2016年、EveryoneOnと米住宅都市開発省(HUD)の提携による「ConnectHome」プログラムの支援を受けて、チョクトー・ネイションはタリイーナにあるすべての賃貸住宅に、低料金のインターネットサーヴィスを提供し始めたのだ。

チョクトー・ネイションは、2015年にConnectHomeプログラムに参加した28の試験都市のひとつだ。オバマ政権時代に立ち上げられたこのプログラムは、インターネットプロヴァイダーや支援団体から現物出資や寄付を受け、そうした街の住民約2万人をインターネットに接続し、7,000台以上のスマートフォンやノートパソコンを配布してきた。

EveryoneOnは現在、HUDからConnectHomeを引き継ぎ、2020年までに地方や都市の100以上の地域社会でデジタル格差解消に向けた取り組みを拡大する計画を発表しようとしている。HUDは今後もEveryoneOnの諮問委員を務めるが、日々の運営からは手を引く。名称が変更された新生の「ConnectHome Nation」が、プログラムの拡大だけでなく、政治家の往々にして気まぐれな思いつきからプログラムを守っていくはずだ。「ワシントンD.C.での議論と関係なく、ConnectHomeのようなプログラムの取り組みは継続できます」とエガーは語る。

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最終更新:6/26(月) 12:22
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