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エース桐生祥秀が世界陸上100m代表落ち。日本短距離は戦国時代に突入

6/26(月) 12:07配信

webスポルティーバ

 6月24日の日本陸上競技選手権・男子100m決勝。今月の10日に追い風参考ながら9秒94を出し、突如として世界陸上の100m代表候補に名乗りを上げた多田修平(関西学院大)の登場で、リオデジャネイロ4×100mリレー銀メダルメンバー桐生祥秀(東洋大)、山縣亮太(セイコー)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の3強対決から4強対決となって注目されていたレースは、予想外の結果になった。

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 波瀾の主役になったのは、その4人ではなく今秋からのフロリダ大入学を控えるサニブラウン・ハキーム(東京陸協)だった。たしかに、前日の予選と準決勝で10秒06を連発して、その底知れぬ力を感じさせてはいた。

「予選の10秒06は正直びっくりしたけど、準決勝でも同じタイムを出していたので自信はけっこうありました。スタートがハマれば9秒台も出るかなというくらいのところでしたが、まだ難しいですね。でもレースの前は、メンツがメンツだったので、すごく楽しみでした」と、いつもの口調で気負いもなく話すサニブラウン。ある意味、背負うものの少ない彼の爆発は予想できたものだったのかもしれない。

 昨年と同じ雨の中でのレースで、追い風0.6mという条件だった決勝。スタートのリアクションタイムは桐生が最速で0秒131。「出遅れた」というサニブラウンは0秒156と8選手中で最も遅かったが、そこから後れをとらずにうまく加速していくのが、今大会で彼が見せている進化した部分。スタートでの差を維持して我慢すると、50m過ぎからは一気に加速して先行する多田をかわして完全に抜け出し、自己記録の10秒05でゴールした。

 2位には多田が入り、「後半は弱いですが、昨日の準決勝よりは維持できたので、そこはよかった。昨日は目をつむってしまうくらい力んでいましたが、今日は本当に真っ直ぐに自分のレーンだけを見て他の選手を気にしないで走れたので、それで後半も走れたのかなと思います」と10秒16をマークした。

 そして3位には「昨日の準決勝で右太股にちょっと痛みが出た。その違和感があったので全体的にうまく走れなかった」というケンブリッジが、スタートからなかなか加速できない状況ながらも、最後に追い込んで10秒18でゴール。

 3月に10秒0台を連発して以来、足首の不安でレースができていなかった山縣は、予選から硬い走りで、決勝には準決勝第2組4着で滑り込んむ苦しい状況だった。

「やっぱり戻せなかったですね。レベルの高い紙一重の戦いだったと思いますが、そういう中ではちょっとでも不安があると勝負にならないなという感じで……」と、得意のスタートダッシュもリアクションタイムは全体で後ろから2番目の0秒150の反応しかできず、伸びのない走りで10秒39の6位にとどまった。

 そんな中で驚いたのは、エースの桐生の走りだった。

 スタートの反応こそ、よかったものの、力んだ感じでうまく加速できず、見せ場を作れないまま10秒26で4位に沈み、個人での世界選手権出場を逃した。

 それは前日の準決勝までの走りに比べると、信じられないものだった。

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