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「0.1円パチンコ」は“時間のムダ”なのか? 愛好家、ホール関係者に聞く

6/26(月) 9:00配信

週刊SPA!

 「0.1円パチンコ」という存在を知っているだろうか。通常は1球4円のパチンコを、40分の1の価格設定で遊ぶことができ、10年ほど前から急速に広がった“低玉貸し営業”の最終形ともいわれる。交換率は店によって異なるが、「2000発で100円相当の景品と交換」など、お金がかからない代わりに、運よく大連チャンしても見返りはほとんど期待できない。そのことから、パチンコファンの間では「時間のムダ」「恥ずかしくて、やってる姿を見られたくない」「パチンコ業界の闇」などと辛辣な声が聞こえてくるが果たして……。0.1円パチンコを楽しむ人たちを直撃してみた。

「パチンコが好きで、給料の大半はパチンコ代に消えてました。やめたいと思ったことは何度もありますが、『あの演出を見るまでは……』とずるずるお金を使っちゃうんです。それが、近所のホールに0.1円コーナーができてからはそっちに移行しました。1日中遊んでも1000円程度しか使わないし、何より、それまでお金がもたなくて見れなかった演出を色々と楽しめるのがいい。爆発すれば、店員さんがきちんとドル箱にしてくれますしね」(45歳・フリーター)

「外回りの合間の時間潰しにちょうどいい。喫茶店に入るより安上がりだし、空調のきいた店内でまったり遊べる。夏場は重宝しそうです。別にお金を儲けたくてパチンコしてる人ばかりじゃないから、ここまで安くしてくれると、逆に嬉しいです」(37歳・営業)

「なんか変な目で見るヤツがいるけど、そっとしといてくんねえかな。年金暮らしのジジイが肩寄せあって遊んでるだけなんだから。あと、0.1円だと負けても勝っても気持ちに余裕があるから、一緒に遊んでるジジイ、ババア同士の会話も弾むんだよ。4円パチンコで5万も6万も負けて台パンして熱くなってるヤツに話しかけるなんてできないだろ?」(74歳・無職)

 安く長く遊べて社交場にもなる。そして、これは低所得者に限った遊びではないことは、下記の証言からもわかる。

「4円パチンコを打てないわけじゃないけど、最近は0.1円パチンコばっかり。だって、5万、10万勝っても別に人生が変わるほどの大金じゃないし、嬉しい気分はそれほど持続しない。逆に2万、3万とパチンコで負けると、そのヘコミぶりはハンパじゃないです。時間のムダだなんて言うけど、別に通常レートでも時間のムダなんだから、ギャンブル依存者のたわ言にしか聞こえないですね」(38歳・会社員)

 射幸性の高さをおさえる昨今のパチンコ事情を考えれば、この“超低玉貸し営業”は時代の流れともいえる。ホールコンサルタントのS井氏も「0.1円パチンコの導入で、ようやく“娯楽としてのパチンコ”の復権回帰ができたのでは?」とみる。

「10年ほど前に“1円パチンコ”が導入され、まだ存在自体が珍しかった頃の理念は『薄利でもいいから稼働をあげたい』というものでした。が、どのホールでも1円パチンコの稼働が上がり、競合店も軒並み1円パチンコを導入するようになって『釘は極悪、1円あたりの利益は4円パチンコと同等』という本末転倒の事態になってしまいました。つまり、『安く長く遊びたい』という客の願望を裏切る形で推移してきたのです。0.1円までレートを下げれば、利益を出そうという考えにはなりません。客にしてみれば、安心して思う存分、遊べるわけで、“闇”なんてことはありませんよ」

 0.1円パチンコでホールの稼働率も上昇。とはいえ、利益を出さずに稼働率をあげることは、ホールとしてどんなメリットがあるのだろうか。

「ギャンブルをする人の心理として“見栄を張りたい”というものがあります。海外のカジノで、あえてVIPルームに行かず、低レートの卓について、平均ベッドの10倍近い金額をこれみよがしに賭ける人は必ずいます。それと同じ効果を狙っているわけです」

 つまり、0.1円パチンコが“闇”なのではなく、“闇”と断定してしまう人の存在こそが“闇”ということか。善悪ではないが、人の目を気にせず、身の丈にあったレートで遊ぶ――それが、娯楽としてのパチンコのあるべき姿なのかもしれない。

〈取材・文/高田 克敏〉

日刊SPA!

最終更新:6/26(月) 9:00
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