ここから本文です

エスカレーター片側空け事情 慣習に対抗、仏英の場合

6/27(火) 15:24配信

オーヴォ

 東京では右側、大阪は左側。フランスも左だ。エスカレーターで、急いで歩く人のための片側空け。そもそもエスカレーターは、歩くことを想定していないし、乗っている人の脇をすり抜けていくのは危険ともいわれ、最近ではこのやり方をやめようという声も上がり始めた。が、なかなか“その側”に立ち止まるのも勇気が必要。フランスでも議論になっていて、新しい試みが出てきている。

 「エスカレーターの左側に立ち止まる“お馬鹿さん”に対抗する」(Contre les cons qui restent immobiles à gauche sur l'escalator)というフェイスブックページがある。

 フランスではエスカレーターを急ぐ人のために左側を空ける慣習があり、そこに立ち止まっている人にいら立つ人々のページだ。パリの地元紙であるル・パリジャン紙は最近、この問題を取り上げ、「世界一の観光地であるパリでは、この(左側空けの)ルールを知らない人々が毎日パリジャンのストレスを増幅させている」と書き、わざわざ左側に立ち止まってみた時の、人々の反応を見た動画をアップした。

 真後ろでいら立ったり、「失礼」と言って立っている2人の間を追い越していく人もいる。通行人同士が揉めないために、「立ち止まって乗るなら右側に、と表示を出せば?」という意見も出るほどだ。

 この“慣習”への対抗策で、成功しているのが、フランス南部リヨンの地下鉄駅。エスカレーターを歩くくらいなら、階段を歩く健康効果を前面に、と、エスカレーターの真横にある階段をきれいな色で塗り、「この階段の上にあなたの健康がある!」という標語を書いたところ、階段を使う人が3倍以上に増えたという。

 ロンドンの地下鉄でも片側空けの慣習があるが、昨年、ロンドン中心部のホルボーン駅で、エスカレーターの両側に立ち止まって乗ってもらう実験をしたところ、片側空けの通常の状態では、隣を歩く人がいても1分間に115人、両側に立ってもらうと同じ時間で151人と、より多くの人を運ぶことができ、「とても急いでいる人にちょっと我慢してもらうことで、結果的に多くの人が早く移動できる」という結論を公表した。

 日本でも、特に通勤時間帯など片側空けが“暗黙のルール”化しているところが多く、「危険ですので、エスカレーターを歩かないで」とか、「両側に立ってください」と表示を出すところも増えてきた。だが、速足でかけ上る人の波に抗うのは”迷惑かも“な空気に委縮しがちでちょっと難しい。定着した慣習を変えるのに、どんな秘策があるだろうか?

最終更新:6/27(火) 15:25
オーヴォ

Yahoo!ニュースからのお知らせ