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相葉雅紀『貴族探偵』、ついに正体明らかに すべての伏線を回収した最終話を振り返る

6/27(火) 6:00配信

リアルサウンド

 思えば、女性に対して常に紳士的である貴族探偵(相葉雅紀)は、高徳愛香(武井咲)にだけ見下した態度を取っていた。第1話から張り巡らせた全ての伏線は、最終話の大どんでん返しに繋がるものであったのだ。

 殺されたはずの喜多見切子(井川遥)は生きていた。それは、高徳を一人前の“探偵”へと独り立ちするために仕組まれた手の込んだ嘘。真相は、切子が香港海運の政宗是正による不正を暴いたことで、彼女は命を狙われることとなった。そこで、切子が貴族探偵に頼んだのが「私を殺してほしいの」という依頼。もちろん、本当に殺すわけではなく“存在を殺す”ということだ。弟子である愛香を危険に巻き込まないため、彼女の依頼を貴族探偵は「美しいご婦人の願いを叶えるのが貴族の役目」として承諾。貴族探偵の秘書である鈴木(仲間由紀恵)は、音声アシストサービス「ギリ」として愛香が調べようとする“危険”に纏わる情報を遮断していた。

 “使用人ズ”と呼ばれる、貴族探偵の召し使い達、佐藤(滝藤賢一)、田中(中山美穂)、山本(松重豊)は愛香の成長を見守る役目も担っていた。いつも愛香が巻き込まれる事件現場には、3人がいた。惜しくも外れてしまう彼女の推理を、フォローしていたのは紛れもなく使用人達。愛香は最終話にして、事件を解決に導く。「私の前で正しく事件を紐解くことが出来たなら、彼女の死の真相をお教えしましょう」という貴族探偵との約束をクリアし“真相”に辿り着くことができたのだ。

 真相を解明する使用人ズの“再現VTR”も、愛香への愛が込められたものであった。御前(貴族探偵)役には、特別出演として鼻形雷雨(生瀬勝久)、切子役には田中、鈴木役には山本。「カット!」とVTRが終わった“風”になると、監督の装いで佐藤が登場。玉村依子(木南晴夏)は、花束を持って愛香の旅立ちをお祝いする。これまで、“再現VTR”には何度もクスリとさせられてきたが、涙と笑いと愛が詰まったラストに相応しいクオリティである。彼女に尽くした使用人ズの深い礼に、愛香の表情には感謝の思いが詰まった笑みがこぼれる。

 全ての真相を知った愛香と対峙する貴族探偵。「また、どこかの現場でお会いする時があれば楽しませてくださいね。探偵さん」。愛香を一人前の“探偵”として認めた貴族探偵は、互いに惹かれるように、彼女を“アバンチュール”へと誘う。2人が唇を近づけながらのラストは、何とも美しく、続きを想像させる終わり方だった。

 『貴族探偵』(フジテレビ系)は、細かい伏線やパロディ演出に適度にツッコミながら楽しむドラマだ。毎話、ドラマのラストに出る注意書きがそれを示していた。Twitterでは、毎週高度なツッコミ合戦がリアルタイムで繰り広げられていた。最終話放送後に大きな反響があったのが、エンディングに一瞬出る「A un de ces quatre」の文字。これは、フランス語で「また、いつか」を意味する。また、いつか、散々ツッコミながら『貴族探偵』を楽しむことが出来るその日を待ちたい。

渡辺彰浩

最終更新:6/27(火) 6:00
リアルサウンド