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Googleの「Android O」はiOSを超えられるか?

6/27(火) 7:11配信

@DIME

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は7月のデビューがウワサされるGoogleの新OSで、次期バージョンとなる「Android O(8.0)」について話し合います。

【写真】意外と知らないGoogleの便利な使い方

石川氏:Google I/Oで「Android O」が発表されたじゃないですか。あの発表内容を見て、iOSでいいじゃんって思ったんです。iOSでできていることのキャッチアップでしかないような感じがしていて、ワクワク感が全然ない気がしたんですよ。

石野氏:AppleもGoogleも、iOSやAndroidに付け加える新機能がなくなってきている。Googleの本来の強みはAI。“AIファースト“だといっているので、OSは軽く、高速にして、いかにクラウドにあるAIにつなげるか、ということなのかなと感じました。

石川氏:そうですね。クラウド勝負になっているというか、OSはクラウドの情報を引き出すためのものでしかなくて、どうでもいい感じになりつつあるのかな、と思うんですけど、その辺、法林さん、どう思いますか。

法林氏:使っていないから分からないけど、Android Oは方向性がちょっと変わってきたのかなと僕は思っている。Y!mobileの夏モデル「Android One X1」もそうだけど、周りの声を聞き始めたかなという印象を持ちました。 X1はカメラのアプリに一部、手が入るようになっていて、今回はシャープ製端末に搭載されていた機能が使えるようになっているんですよ。

石野氏:トリニティの星川さん(「NuAns NEO [Reloaded]」を開発しているトリニティの代表取締役 星川哲視氏)に聞いたところ、Androidの標準セットに、実はカメラUIって入っていないらしいんですよ。

法林氏:有名無実化しているそうですね。標準アプリが事実上ない状態になっているけれど、バージョンアップに影響がないようにメーカー製アプリを作り変えて、OS側に組み込めるようになってきている。

石野氏:アプリを作る力のない、トリニティみたいなメーカー向けには、Qualcommの標準セットがあって、それを載せることができるらしいです。

房野氏:そうすると安く作れるんですか?

石野氏:Androidは無料で、Qualcommの標準セットはQualcommのチップを買っていれば使えるはずです。

法林氏:Nexusのときのいわゆる「素のAndroid」は、バージョンアップはできるけれど使いにくいといわれたけれど、Android 6.0や7.0になって、すごく変わってきた。6.0から長押しメニューができたりして、結構変わってきている。

石川氏:「素」でいいじゃんと。

法林氏:そう。標準の方が良くなってきているので、メーカーさんもそれに合わせてきている。今回、シャープ端末がホームアプリをついに変えたのは、その影響だとう話だし。

石野氏:縦スクロールがなくなって本当に良かった。

房野氏:AQUOSの「3ラインホーム」は、私もあまり好きじゃありませんでした。格好良く思えませんでした。

石野氏:カスタマイズをゴリゴリやっていたサムスンも「Galaxy S8/S8+」は標準に近い動作になっている。

法林氏:メーカー間の差分というか、フラグメントをうまく吸収するように、Android側もメーカーさん側も動いている感じがする。

石川氏:プロジェクトなんだっけ......

法林氏:「Project Treble」ね。

石川氏:Androidのアップデートにメーカーがキャッチアップしやすいような環境にする取り組み。Android Oからですけどね。

法林氏:Android Oからなんだけど、今のチップではできないんだって。次の、秋冬以降じゃないかという話です。

石野氏:ソニーはAndroidにかなりがんばってコントリビュート(バグ修正や開発に協力すること)しているんですよね。

石川氏:今後、UIからメーカーの個性はますます見えてこなくなるだろうし、その一方でアップデートはしやすくなると思う。

法林氏:2年以上前のAndroidを使っている人は、そろそろ更新を考えた方がいいかも。Android 4.0、5.0だと、そこで止まってしまう可能性がある。

石野氏:逆に、これだけUIが同じになってきた中でも、よくここまで差別化できているなと思います。

石川氏:最終的にモジュール勝負。これはAndroidができた当初からいわれているけれど。サムスン、シャープ、LGはディスプレイ、ソニーはカメラ。

石野氏:ディスプレイも有機ELあり、液晶あり。省電力に振るものもあれば、曲げるところもあり。

■クローズドなAppleの強みが弱点になるかもしれない

房野氏:先日行われたイベント「Microsoft Build」で発表された、WindowsとiOS、Androidをまたいでコピー&ペーストができるといった、OS間の横断的な動きをどう思われますか?

法林氏:僕は素直に、Microsoftのやっている方向性は正しいと思っています。彼らはOSの競争はしていない。Microsoftは「ウチはプラットフォームの会社だ」という言い方をしていた。Microsoftはクラウドのプラットフォームや色んなサービスのプラットフォームを作る。例えば音声やAIとかで、縦横無尽にプラットフォームを作っていく感じがする。Googleも近いといえば近いんだけど、Appleはちょっと違いますね。

石川氏:Appleはデバイスの会社ですよね。

法林氏:そこがこの先、Appleの不安要素。Buildのときに石川君と散々話したけれど、会社が持っているテクノロジーの規模感が、Google、Microsoftとは違うサイズ感で、方向性もちょっと違う感じがする。これからの時代、あまりOSを意識せず、サービスを1つ作ったら、iOSやAndroidはもちろん、ここにもあそこにも出します、みたいになっている方が普通だし、どこかで差分はなくなっていくと思う。例えば今、Facebookを使ったときに、iPhoneは動画がアップできるけれど、Androidはできないなんてことはないわけで、サービスプラットフォームとしての統一感は出てくると思う。

石野氏:そうするとiCloudがiOS限定なのがもったいない。iPhoneだとGoogleのサービスもMicrosoftのサービスも選べるし、Androidも両方とも選べるけれど、iCloudを使おうと思うとiOS端末だけ。そこでiCloudによっぽど魅力があればいいですけど......。一般的に考えて、クラウドサービスだったら幅広いプラットフォームで使えることが魅力になる。端末で閉じてしまっているiCloudはもったいないなと。

法林氏:それが強みでもあるけれど、弱点になってきている。ちょっと脱線すると、フィーチャーフォンの人がスマホに移行するときに、キャリアメールを止めて、他のサービスのメールアドレスを作って、それを普段から使うようにしましょう、となる。そのとき、どこのメールアドレスを作るべきかといったら、ここにいる全員は恐らくGmailを勧めると思う。でも、販売店によっては、ウチはiPhoneを扱っているからiCloudメールを勧める、というところもある。iCloudにすると、その先が辛い。

石野氏:潰しが利かなくなっちゃう。

法林氏:また閉じたものになっちゃう。そこがAppleの難しいところ。

石川氏:今後、IoTの話になってきたとき、Appleがすべてのデバイスを作ることができればいいけれど、いかにつながるかという視点で見ると、やっぱりGoogleの方が使い勝手がいいし、それに次ぐのがMicrosoftかなという気がする。

法林氏:Appleはクローズドのプラットフォームのやり方を考え直すべき時期にきているんだろうなと思う。

石川氏:最初に戻ると、OSの重要性はなくなりつつあるんだろうなと。

石野氏:そうですね。Appleの「マップ」も、良くなったとはいえ、基本的にiPhoneとiPad、Macでしか使えない。ブラウザで使えるようにしようよ、と思います。

石川氏:しかも、みんな住所をコピーして、Googleマップに貼り付けて調べている。

石野氏:まだアメリカや日本では、iPhoneがスタンダードな存在なのでいいんですけど、PCのシェアは圧倒的にWindows。そこと連携できない地図サービスはつらい。iCloudフォトは一応、Windowsとも連携できますが、全体的にAppleはクラウドサービスが弱い。「.Mac(ドットマック。後のMobileMe。MobileMeはiCloudに移行)」の頃から弱いといわれていて、ずいぶん良くなったんですけど、それでもまだ弱い感じがする。

石川氏:やっぱり出身に依存する。

石野氏:Appleはメーカーですよね。

法林氏:自分たちのシナリオ通り、つまりiPhoneやiPad、MacBookを持ち歩いて、家にはMac miniが置いてあってみたいな、彼らのシナリオ通りにすべてのものがあればいいけれど、世の中そうじゃないよねということ。

石川氏:その点、Microsoftは謙虚だなと今回のBuildで感じました。「スマホはAndroid、iPhoneでいいですよ。ちゃんと連携します」という、あの諦め感。

石野氏:Windowsスマホで挽回するのは、今からだと無理ですからね。

法林氏:Windowsのスマホでシェアを取ろうとは、彼らはかけらも考えていない。

石川氏:最近のAndroid端末にはOfficeが入っていたりする。そこはしたたかだなと。

房野氏:サムスンとファーウェイの端末にプリセットされていますね。

石野氏:Microsoft StoreではGalaxy S8/S8+を売っています。

房野氏:Microsoftはそれで大丈夫なんですか。ちゃんと儲けているんですか?

石野氏:OfficeのサブスクリプションやAzureの利用料、クラウドサービスの利用料が入ります。

法林氏:もはやOSのライセンス数だけで儲けている会社じゃない。

石野氏:そもそも、Windows10はほぼ無料じゃないですか。Windowsをインストールしているメーカーからライセンス料は得ているけれど、比率としてはクラウドサービスで儲けています。

法林氏:圧倒的にAzureやクラウドサービス。

石川氏:ハードも積極的に売るようになった。メーカーから金を取れないから、自分たちで儲けるか、みたいな。

石野氏:まあ、そういうことですよね。

石川氏:先日のSurfaceの発表会を見たら、もうメーカーじゃんと。

石野氏:メーカーが縮小しちゃうんだったら、自分たちでなんとかしようという感じ。

石川氏:本気過ぎる。

石野氏:Windows 95を使っていた頃のMicrosoftとはまったく違う、別の会社ですね。

石川氏:新しいCEOになって変わったね。

......続く!

次回は、夏スマホについての会議です。ご期待ください。

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:6/27(火) 8:38
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