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岡崎慎司がシーズン中の監督退任劇の裏で考えていたこと

6/27(火) 7:20配信

@DIME

昨季リーグ優勝を飾ったものの、開幕から低空飛行が続くレスター・シティ。とうとう降格が現実的な危機となるほど順位を下げた。クラブは監督解任を決断。巻き返しを図るチームの中で、岡崎慎司は冷静だった。

【写真】岡崎慎司の思考術

■歓喜を味わったのだから、苦しみも不思議じゃない

 2月23日、ラニエリ監督がチームを去ることになった。

 1月15日以降、プレミアリーグ5連敗。6試合で得点が挙げられず、降格圏内まであとわずかというところまで、追い詰められていた。FA杯では3部リーグのチームに敗れた。僕はこの試合で先発起用されたが、ゴールを決められなかった。チャンスを得点につなげられなかったことが悔やまれた。

 たとえそれがミラクル、奇跡だったとしても、ディフェンディングチャンピオンが背負うプレッシャーに誰もが苦しめられていたんだと思う。

「なぜ昨季のように戦えないのか?」という疑問を抱く監督。結果が出ないことで自信を失った選手の中には、監督に不信感を持つ人間もいただろうし、出場機会の少ない選手たちの不満も高まったかもしれない。

 そういう負の連鎖を断ち切るための手段としての“監督交代”によって、チームが同じ方向を向く機会が生まれるはずだ。

 監督解任の責任を僕ら選手も感じている。ベンチが続いていた僕にとって好機が訪れるかもしれない。

 監督から信頼される選手になりたいという気持ちはあるが、僕は監督に依存すべきではないと考えている。だから「岡崎の献身的なプレーを称賛する」と褒められても、安心感や満足感が生まれることはない。

 目に見える結果を残さなければ、出場機会がなくなる。現実はシビアだ。それを僕が受け入れられるのは、監督はすべての選手に対して平等であるべきだと信じているからだ。求められる仕事ができない選手は起用されない。そうシンプルに考えられる。

 監督に依存してしまえば、裏切られたと落胆したり、監督の顔色を窺ったりするかもしれない。そういうことよりも、現実を冷静に受け止めて、自分が何をすべきかだけを突き詰めていくべきだと思っている。

 ヨーロッパでプレーする僕は、外国人選手であり、監督から信頼を得ることは、日本でプレーすることと比べると、簡単なことではない。絶大な信頼を得られない現実もまた、自分の実力だと思うし、そういうところでチャレンジしていくのも大きなモチベーションだ。

 残留争いも覚悟のうえで移籍したレスターで、まさかのリーグ優勝。あんなにいい思いをさせてもらえたのだから、今季のような苦労もあるだろうなと、今回のことも僕は割り切った気持ちで受け入れている。

 だからこそ、残留という使命を果たすことに集中できる。

■一番苦手なプレミアリーグ。だから僕はここにいる

「なぜ僕はここにいるのか?」。ヨーロッパに来て、何度となくそう自分に問いかけてきた。

 海外で仕事をするのは孤独だ。外国人としての孤独感もあるがそれだけではない。チームメートからの助言など、自分の仕事に対して客観的な指摘を得易い日本と違い、海外では練習や試合を自己分析し、「これはできた」「ここが足りない」という判断を自らしなくてはならない。進化をする上で欠かすことのできない、これらの作業を繰り返すこともまた孤独な戦いだと感じる。

 そういう中で、サッカー人として純粋に上を目指していけるかを僕は試されている。

 身体能力の高い選手が競い合うプレミアリーグは僕にとって一番苦手なリーグだと感じている。でもだからこそ、ここで戦う意味があるし、プレミアリーグで生き抜こうともがいていることが、「ここにいる」理由だと実感している。

構成・文/寺野典子 撮影/乾 晋也、アフロ

※データは2017年2月28日現在のものです。

@DIME編集部

最終更新:6/27(火) 8:27
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