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「一流の中の一流」と一般人のメンタルの差

6/27(火) 8:00配信

東洋経済オンライン

■“トップ中のトップ”になる人の発想

 インタビュアーとしてトップアスリートと向き合うと、彼らのメンタリティが、自分のそれとは遠く懸け離れたものであることを痛感させられる。

 たとえば、陸上・短距離のケンブリッジ飛鳥。リオデジャネイロ五輪の4×100メートルリレーでアンカーを務めた彼は、“あの”ウサイン・ボルトとほぼ横並びでバトンを受け取った瞬間にこう思ったという。

 「勝てば金メダルだ!」

 たとえば、バドミントン女子日本代表の奥原希望。リオデジャネイロ五輪・シングルスで日本人初のメダリストとなった彼女は、高校時代に思い描いた“理想の自分”を追い続け、ストイックなトレーニングを積み重ねてきた。それがまねできれば、誰でもすぐにダイエットに成功できる――そう伝えると、彼女は笑った。

 「私に言わせれば、『どうしてできないの?』という感じなんです」

 たとえば、水泳界のレジェンド・北島康介。2014年冬、1年半後のリオデジャネイロ五輪出場を目指していた彼に「挫折経験は?」と問うと、北島は少しの迷いも見せずにこう答えた。

 「そもそも『挫折』って、心が折れて続けられなくなることですよね。僕は今も続けているから、挫折経験はない」

 人より優れた技術やセンス、身体能力があれば、おそらくその競技におけるトップレベルにたどり着くことはできる。しかし日本一、あるいは世界一という“トップ中のトップ”を狙うなら、それだけでは足りない。

 ボルトを相手にしても“勝利”をイメージできる。高校生の頃に思い描いた“理想の自分”とストイックに向き合い続けられる。「挫折経験は?」と聞かれて「ない」と即答できる。そんな彼らの姿勢に、“トップ中のトップ”しか持ち得ない特別なメンタリティを感じ取ることができる。


 共通項はもうひとつある。

 “トップ中のトップ”は、自身が生まれながらの天才肌であることを全面的に否定する。たとえばサッカー界で「黄金世代」と称される1979年度生まれの代表格、元日本代表の小野伸二は少年時代を次のように振り返った。

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