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ドンキは「ユニー・ファミマの総合スーパー」を再生できるか?

6/27(火) 7:00配信

日経トレンディネット

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(ユニー・ファミマ)とドンキホーテホールディングス(ドンキ)は2017年6月13日、業務提携の検討を発表した。「コンビニとドンキが提携して何のメリットがあるのか」と不思議に思った人も多いだろう。そこで、今回の提携の狙いをユニー・ファミマ、ドンキのそれぞれの視点から推測する。

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 まず今回の話のポイントのひとつは、ドンキ側からユニー・ファミマに声をかけた点にある。発表当日にドンキ側が開いた電話会見で、ドンキホーテホールディングス専務兼CFOの高橋光夫氏が「5月初旬にドンキ側から話を持ちかけた」と語っている。

 なぜ、ドンキは提携先としてユニー・ファミマを選んだのか。高橋専務は同じ電話会見で「セブン&アイ・ホールディングスは首都圏を中心にイトーヨーカドーを展開しており、既存のドン・キホーテ店舗との競合がある。ローソンはコンビニ事業が中心」とも述べている。この発言から、コンビニ事業だけでなく、GMS(総合スーパー)事業を手掛けるユニーの店舗網もポイントになったと考えられる。

 ドンキは2020年に500店の目標を掲げており、直近の2017年6月期第3四半期時点の店舗数は360店。今期は30店程度の新規出店を計画しており、2017年5月時点で22店を出店している。

 一方、ユニーは大型GMS「アピタ」(97店)と中小型GMS「ピアゴ」(113店)の2業態を運営しており、店舗数は合わせて210店。ドンキにとってユニーの店舗網は魅力的であるはずだ。両社は提携の検討事項として店舗の実験的な共同運営や相互利用を掲げている。

 加えて、ユニーの店舗網に白羽の矢を立てたのはドンキらしい選択ともいえる。ユニーが運営するアピタやピアゴは店舗ごとに面積や形状が異なっており、標準化された店舗形態で展開する流通チェーンだと出店が難しい。ところが、ドンキは既存の建物を活用した居抜き出店を得意としており、200店以上を展開している。ドンキには居抜き店舗を活用する独自のノウハウがあるのだ。

 ただし、居抜き出店にはいつどのような立地の店舗が不動産市場に出回るのか、予測できないという課題がある。ユニーは不採算店舗の整理・統合を検討しており、しかもその店舗が既存のドン・キホーテとは競合しない点が、提携交渉に至った強い動機だろう。

●ドンキは「PB拡大」も狙う?

 店舗網の拡大に加え、次に考えられるのが「PB(プライベートブランド)の拡大」だ。

 ドンキは仕入れ商品の4割を流通市場の余剰在庫を購入するスポット調達で仕入れている。メーカーの廃盤商品や賞味期限が近い商品を通常とは異なるルートで仕入れることで、他社よりも平均で10~35%安い価格を実現しているのだ。

 ただスポット調達はメーカーの商品政策に左右されるなど、安定供給に課題がある。そこで、安定的に低価格商品を調達する仕組みとしてドンキが注力しているのが、PB商品の開発だ。ドンキは衣食住の全てにわたってPB「情熱価格」を展開し、その売り上げ構成比は1割を超える水準となっている。

 今回の提携検討事項には、「商品特性や顧客層が異なる両社の商品の開発ノウハウを共有することで、魅力ある商品の開発と仕入力強化によるコストダウン・効率化を目指す」とある。ドンキとユニーが共同でPB商品を開発することも考えられる。

 ちなみに、セブン&アイグループのPB「セブンプレミアム」はコンビニ、食品スーパー、GMS、百貨店と業態を横断して売れる商品を開発したことが成功要因といわれるが、その牽引役となったのは圧倒的な店舗数をもつコンビニだ。低価格販売を志向するドンキとファミマが共通のPBを開発することは難しいかもしれないが、ドンキは高付加価値型PBの開発にも取り組んでおり、将来的にはドンキ、ユニー、ファミリーマート共通で販売するPB商品開発の可能性もあるだろう。

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