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「大学入試英語改革」で文科省は何がやりたいのか

6/28(水) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 日本人は英語が下手だと言われる。だからこそ、教育の内容が原因なので変えていこうというかけ声の下、様々な改革が政府によって行われつつある。しかし、経営コンサルタントの大前研一氏は、文部科学省が明らかにした「大学入試英語改革」について、疑問を投げかける。

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 文部科学省が大学入試センター試験に代わって2020年度に始める「大学入学共通テスト(仮称)」の概要が明らかになった。しかし、入試の何をどう変えたいのか、どんな学力を測りたいのか、さっぱりわからない。

 新しい共通テストは、国語と数学は現在のマーク式に加えて記述式問題を3問ずつ出題する。英語は共通試験を廃止して実用英語技能検定(英検)、TOEICなどの民間試験の中から文科省が認定する試験に移行し、言語能力を評価する国際指標「CEFR」(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいて6段階で評価した成績と試験の素点を大学に提供するという。「知識偏重から脱し、思考力や表現力を測る入試への一歩」だそうだが、名称案も含めて変更の意図がわからない。

 とくに理解不能なのが、英語の試験の民間試験への移行である。もう自分たちには試験問題を作る自信がないから民間に頼るということなのか、それとも他に何か理由があるのか?

 すでに10前後の民間の実施団体と協議中というが、それぞれの試験によって英語の何を測るのかが違う。たとえば、英検やTOEICは英語そのものを理解しているかどうかを試す。一方、TOEFLは英語コミュニケーション能力を測る。レベルも目的も違うのに、いったいどうやって公平に判定するのだろうか。

 そもそも今の文科省の英語教育は、目的がはっきりしない。本気で英語を学校で教えたいのか、教えたいなら何のために教えたいのか、全くわからないのだ。つまり、英会話ができるようにしたいのか、英語の本や新聞、テレビ番組、映画が理解できるようにしたいのか、それともグローバルなビジネス現場で使える英語力を身につけさせたいのか、ということである。

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