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ザ・トレード・デスクは、なぜP&Gを勝ち得たのか?:アドテクビジネスの成長戦略

6/28(水) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

世界最大の消費財メーカーであるプロクター&ギャンブル(以下P&G)は2017月5月、プログラマティックバイイング事業を見直し、北米地域のデマンドサイドプラットフォーム(以下DSP)をオーディエンス・サイエンス(Audience Science)からザ・トレード・デスク(The Trade Desk)に変更することにした。

これは、ザ・トレード・デスクにとって新たな大勝利と言える。同社は5月11日、2017年1~3月期の売上高が前年同期比76%増の5340万ドル(約60億円)に達したと発表した。その直後に、同社の株価は、前日から30%以上も上昇して、12日に1株当たり51.90ドル(約5800円)になった。

アドテクノロジーは、かなりの批判にさらされている。3月には、英紙ガーディアン(Guardian)が、購入側の手数料を公表していないとして、米アドテク大手ルビコンプロジェクト(Rubicon Project)を訴えた。2014年9月には、DSPプロバイダーのロケット・フューエル(Rocket Fuel)が、連邦証券法に違反したとして、投資家による集団訴訟に直面している。また、株式市場はアドテク企業に対して冷ややかな反応を示す。たとえば、ルビコンプロジェクト、ロケット・ フューエル、動画広告企業トレマー・ビデオ(Tremor Video)の株価はそれぞれ、新規株式公開(IPO)価格と比べると43%、89%、75%低下した。

成長をなし得た理由

ザ・トレード・デスクの創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるジェフ・グリーン氏は同社の成長について、オムニチャネル戦略だけでなく、エージェンシーと購入側の技術を重視したおかげでもあると考えている。

「売上高の50%超は、エージェンシーから上がっている。我々は、エージェンシーとは決して競合せず、マネージドサービスにはまったく関心がない。それに、我々はオムニチャネルでグローバルでもある。会社を守るのに十分なほどしっかりしていて、けれどもパートナーと戦略的提携関係を結ぶ邪魔にならない程度の定款を定める必要がある」と、グリーン氏は言う。

ザ・トレード・デスクの成功は、DSP事業への進出に対する懸念のアンチテーゼのように見える。メディアトレーニングテック企業アイピーオンウェブ(IPONWEB)のCEO兼チーフサイエンティストであるボリス・マウザイカンツキー氏が述べているように、DSPは現在、万力で締め付けられているような状態だ。パフォーマンスと効率の向上を求める広告主やエージェンシーからの圧力を感じつつ、一方では重複入札によるハードウェア費用の増加が、それでなくても少ない利ざやを食いつぶしつつある。

「こうした圧力から解放されるために、DSPは、事業のありようを進化させ、データベンダーやサプライパートナー、パブリッシャー、新しいビジネスモデルから新たな収益源を探ろうと、急ピッチで取り組みを進めている」と、マウザイカンツキー氏は述べた。

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