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アロハでGO!ポール・スミス 2018年春夏コレクション

6/28(水) 16:26配信

GQ JAPAN

来年の春夏、絶対に必要なアイテム、それは、アロハシャツである。年齢や体型に関係なく着ることができ、しかも、意外にファッショナブル。スーツ下に合わせると、さらに2018年春夏らしさを発揮する。

その、見本とも言えるのが、今回のポール・スミスのコレクションである。ショーの前半はスーツに始まり、すぐにアロハのスタイリングに突入。アロハといえば、楽しいゾート気分が盛り上がる、というアイテムである。少なくとも明るい色柄の印象が強い。なんといってもハワイ原産だ。

しかし、ポールがまず選択したのは、ダークネイビーや黒を基調とした、「南国の夜」の風景だ。シダやヤシの木やハイビスカスが生い茂る、太陽が姿を消した後の楽園。空には無数の星がまたたき、巨大な月が笑っている。

この柄が、実にスーツに合うのである。ごく常識的な英国風チェックのスーツやスラックスに、とてもよくなじむ。くすみのあるピンクや夕暮れ時の空のような、グレイッシュブルーも入っているので、決して暗過ぎずリゾート感覚もある。これなら例えば「かりゆし」シャツのかわりに、役所への通勤にも使えないか。そんな考えが浮かぶようなシャツなのだ。

ポールは実は70年代、英国ノッティンガムにある自分のショップで、アメリカで買い付けたヴィンテージのアロハを、店頭に並べていたという。それは、当時かなり人気があり、よく売れた。そして、売れ残りは保管しておいた。今回のショーに登場したシャツは、その時のものも参考になっている、というから、人間、いつ、何が役に立つか、本当にわからないものである。

ショーは進み、私たちは気づく。スーツの裏地にはことごとく、シャツと同じ素材が使われているのだ。ルビー色のシャツにはルビー色の裏地、サファイア色のシャツにはサファイアの裏地。歩くたびにジャケットの裾が揺れ、そんな裏地がちらちらとのぞく。そのたびに、少しドキッとしてワクワクする。

そして、まるで空港でもらうレイのような、ハイビスカスの刺繍入りの襟のジャケットが通り過ぎると、ランウェイは一気にカラフルに! サンゴ色のオレンジ、ハイビスカスの赤紫、空のブルーと葉のグリーン、いや、もっとそれらを蛍光色めいた鮮やかさに変換したジャケット、スーツ、パンツ! おお、これぞポール・スミスの世界! 極彩色の楽園、ハッピーな竜宮城!

ポールの虹色ストライプをバックに、ランウェイのモデルたちが集まると、この「究極の実用服を作るデザイナー」と、同時代に生まれた喜びが爆発する。

Words: Chiyumi Hioki

最終更新:6/28(水) 16:26
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