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積水ハウスが「森林破壊ゼロ」へ-クリーンウッド法に対応

6/28(水) 23:10配信

オルタナ

 国は2017年5月20日、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(通称「クリーンウッド法」)」を施行した。これに伴い、積水ハウスは同月発表した長期計画「サステナビリティビジョン2050」で「生態系の破壊につながる森林破壊ゼロ」という目標を掲げた。同法では木材に関わる国内企業に対して、違法伐採された木材の責任が問われることになる。積水ハウスは今後、サプライヤーに対しても木材調達への意識を高めるコンサルティングを進めていくという。

 インドネシアやマレーシアなどでは違法伐採が自然環境に深刻な影響を及ぼしている。森林減少を引き起こし、生物多様性が失われ、野生動物が危機に瀕し、地球温暖化の原因にもなる。

 木材を輸入する立場の国内企業にも責任が問われている。持続可能でない方法で調達した木材を使用せずに、企業が合法木材の流通や利用を促進することが違法伐採に歯止めをかけることにつながってくる。

積水ハウスが今回発表したサステナビリティビジョンでは、2050年に向け、生態系の破壊につながる森林破壊をゼロにするために「フェアウッド調達100%」の目標を示した。

同社環境推進部の佐々木正顕氏は「持続可能な開発目標(SDGs)
において、企業の役割が明確化されてくるなかで、社外に対しても当社の長期的な姿勢を明確に伝えるために、森林破壊ゼロに向けた目標を表現した」と話した。

 クリーンウッド法施行以前から、同社は環境NGOの「FoE JAPAN」と連携して、合法木材の調達に取り組んでいる。環境に配慮し、社会的にも公正なフェアウッドを調達するため2006年には、「木材調達ガイドライン」を掲げた。生態系を破壊する方法で産出された木材を使わないことや、地域社会の安定に寄与する木材など資源が循環する持続可能な方法の木材を活用することが盛り込まれている。

積水ハウス「木材調達ガイドライン」10の指針
1.違法伐採の可能性が低い地域から産出された木材
2.貴重な生態系が形成されている地域以外から産出された木材
3.地域の生態系を大きく破壊する、天然林の大伐採が行われている地域以外から産出された木材
4.絶滅が危惧されている樹種以外の木材
5.生産・加工・輸送工程におけるCO2排出削減に配慮した木材
6.森林伐採に関する地域住民等との対立や不当な労働慣行を排除し、地域社会の安定に寄与する木材
7.森林の回復速度を超えない計画的な伐採が行われている地域から産出された木材
8.計画的な森林経営に取り組み生態系保全に寄与する国産木材
9.自然生態系の保全や創出につながるような方法により植林された木材
10.資源循環に貢献する木質建材

 森林破壊ゼロの目標は、合法性やCO2排出削減、森林伐採地の地域社会の安定など項目別に点数化して推移を追っていく。さらに、取引を行う約50社のサプライヤーに対しても毎年、木材調達実態調査の実施や環境NGOからの情報提供などを行って課題意識を共有し、積水ハウスがアドバイザー役となって森林破壊ゼロへの意識を高めていく。

 クリーンウッド法の事業者登録は、2017年秋以降に開始される見込みだ。積水ハウスは制度の進捗を見て判断する予定としている。同法は努力義務で罰則がない。このため、国内企業に対する影響力への懸念もある。だが、合法性があり、地球環境に配慮した木材を使用することは、企業として持続可能な環境・社会を維持する役割を果たすだけではなく、企業の信頼性にもつながる重要な要素となる。

「サステナブル・ブランド ジャパン」より転載

最終更新:6/28(水) 23:10
オルタナ

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