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「PORTER」はいかにして生まれたのか?Made in Japanにこだわるバッグメーカー、吉田カバンの創業秘話

6/28(水) 7:30配信

@DIME

DIMEラウンジストアで幾度もコラボを展開している「吉田カバン」。吉田カバンって何でこんなに人気なの? 今さら聞けない歴史やその人気の秘密を担当デザイナーの話を交えて、探っていこう。

【写真】「PORTER」はいかにして生まれたのか?Made in Japanにこだわるバッグメーカー、吉田カバンの創業秘話

◎一針入魂の精神で、時代に合った機能性+ファッション性を取り込む

 創業当初からメイド・イン・ジャパンにこだわり、確かな縫製力と機能性、ファッション性を兼ね備える吉田カバン。その歴史は1935年、創業者・吉田吉蔵氏が神田須田町に吉田鞄製作所を設立したことから始まる。吉蔵氏は12歳でカバン職人となるべく修業に身を投じ、17歳で関東大震災に遭う。その際、紐の両端に家財を結びつけて肩から掛けて荷物を運び出した経験から、「カバンは第一に荷物を運ぶ道具でなければならない」と考えるようになる。この理念こそ、吉田カバンの物づくりの原点である。29歳で独立後も「使うほどになじみ、長く愛用できるカバン」作りを目指して奮闘していく。

 テレビ放送が始まった1953年、戦後からの復興で集合住宅が増え始めた頃、ファスナーの開閉でマチ幅を変えられる『エレガントバッグ』を発表。狭い室内でもコンパクトに収納できる画期的な機能で大ヒットとなり、一躍、吉田の名が知られるようになった。

 1962年には自社ブランド「ポーター」を発表。当時、日本のバッグメーカーがプライベートブランドを持つことは珍しいことだった。さらに1983年、米空軍のフライトジャケットがモチーフの『タンカー』シリーズを発表し、ポーターを代表する存在へと成長。1984年には次の自社ブランド「ラゲッジ レーベル」の、赤バッテンのタグを付けた『ライナー』シリーズを発表、一時期同社を牽引した。

●1953年『エレガントバッグ』開発

ファスナーの開閉で、カバンのマチ幅を変更できる画期的なバッグとして大ヒット。戦後の復興期にマッチした機能性で評価を受けた。こちらは80周年記念で復刻した『エレガントバッグ(M)』6万9120円(税込み)。

今回、お話を聞いたデザイナーの長谷川進さん、松村力弥さん。

◎ファッション界とのコラボで新たなステップへ

 90年代頃から吉田カバンの製品はファッションアイテムとしても認知されていく。その流れを作ったのは「人気セレクトショップと一緒に仕事をするようになったことが大きいです」とデザイナーの松村さん。「それにユーザーも変わってきました。昔は3WAYバッグなんて持っていたら上司に怒られたかもしれませんが、今やファッションも通勤スタイルも柔軟になりました。そんな相乗効果もあり、うちの製品と時代がうまくマッチしてきたんだと思います」(デザイナー・長谷川さん)

 地位を確立した後も彼らの商品はオートメーションに頼らず、職人の手作業で作られる。奇抜なファッション性に走ることなく、シンプルだが上質感があって丈夫な作り。常に職人や素材と対話しているからこそ、ブレない物づくりが守り続けられているのだ。

●2013年『タンカー』シリーズ30周年

ポーターの代表的なシリーズ『タンカー』。1983年発表から今もなお愛され続けるスタンダードモデル。こちらは『ブリーフケース(S)』1万5120円(税込み)の新色シルバーグレー。スーツにも似合い、ビジネスマンにも愛用者が多い。

◎日本の地場産業を支える品質のいい物づくりを

 そんな吉田カバンと本誌は、これまで様々なコラボレーションを展開。いつもの吉田カバンとひと味違うオリジナル品は、どれも完売御礼のヒット作ばかりだ。「男はどうしても定番ものに目がいってしまいがち。でもDIMEとのコラボでは、意外性のあるおもしろいアイデアの製品が生まれ、タフな日々を送るビジネスマンに「せめてもの遊び心」を与えています。その自由な発想でアイテムを作る姿勢は、勉強になります」(長谷川さん)

 これからも飛躍が期待される同社だが、目標は「品質のいいものを、適正な価格で売っていくこと」と至って謙虚だ。「堅いかもしれないですが、職人さんや素材屋さんなどとの関係を崩さず、日本の物づくりを支えていくことが一番大事なことだと思っています」。この姿勢こそ、日本の地場産業を維持していくのに不可欠な要素。彼らの侍スピリットに、私たちは惚れ込んでしまうのだ。

■吉田カバンHISTORY

1935年創業
吉田カバンの歩みを代表シリーズの流れとともに見ていこう。

【1962年】「ポーター」発表

初の自社ブランドとして発表。ブランド名は、ホテルなどでお客様のカバンを預かるポーターという職業に由来している。

【1968年】『バロン』シリーズ発表

今も継続して生産している最古のシリーズ。肉厚で柔らかなグローブレザーを使い、発売から40年たった今も、デザインが変わることがないロングセラーシリーズである。

【1983年】『タンカー』シリーズ発表

米国空軍のフライトジャケットMAー1をモチーフにした生地やディテールが特徴。当初はミリタリーテイストなトラベルアイテムが中心。今では約60型を展開し、ポーターの代表作に。

【1984年】「ラゲッジ レーベル」発表

オリジナリティーとベーシックを融合。ミリタリーの要素を取り入れた『ライナー』をはじめ、様々なシリーズを展開。80年代後半から90年代前半頃には同社の看板ブランドとして人気を博した。

【1995年】『ユニオン』発表

コットンよりも軽量なポリエステルキャンバス生地を使ったリュックタイプのシリーズ。ワークウエアなどをモチーフにしたポケットが印象的。写真は新色のグレー。

【2007年】『ポーター マグナム』グッドデザイン賞受賞

初めてグッドデザイン賞に出品し、この『ポーター マグナム』が受賞。世界初、ゴア(R)バッグ用ファブリクスを採用し、縫い目のある防水構造を実現した。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:6/28(水) 7:30
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