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資源国・新興国の株と経済が今後「要注意」な2つの理由

6/28(水) 21:00配信

ダイヤモンド・ザイ

 世界の株式市場の時価総額が史上最大を更新中です。リーマンショック以降、経済の回復が順調ではない中で、株式市場だけが大幅上昇しているのは、世界の中央銀行が未曾有の金融緩和(とりわけ量的緩和)を続けてきたからです。しかし、先日のFOMC(6月13-14日)では、ついにFRBの量的緩和を縮小する方針がはっきりと示されました。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』最新号ではこの件の影響について、あらゆる角度から分析・検証しています。今回はもっとも影響を受けやすいと思われる「資源国・発展途上国」の経済・株式市場について闇株新聞の見方をお伝えします。

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FRBの量的緩和縮小が決まっても新興国市場が動揺していない理由

 FRBの量的緩和が縮小される方針が示されましたが、今のところ資源国と新興国の経済は落ち着いており、株式市場も(ロシアを除いて)上昇しています。しかし、今後を考えると2つの懸念材料が挙げられます。

 1つ目は、FRBが資産を縮小して、もっとも影響を受けやすいのが資源国・新興国であるということです。

 2013年5月、バーナンキ議長(当時)が量的緩和(QE3)による資産買い入れ額の縮小に言及したとき、即座に資源国と新興国に動揺が走りました。

 その当時FRBは毎月850億ドルもの米国債とMBS(住宅ローン債権)を買い付けていました。バーナンキ議長はその買入れ額を近い将来「減らす可能性がある」としただけで、「買入れを停止する」とか「保有債券を売却する」などと言ったわけではありません。

 それでも市場はFRBの買入れ額縮小→金利の上昇→新興国からの資金引き揚げ→世界経済の低迷→資源需要の減退→資源国の経済低迷と連想し、投資資金の流出を招いたのです。

 今回のイエレン議長はそれよりさらに踏み込んで「FRBの保有資産を減らす」と言っているわけで、バーナンキ発言よりはるかに深刻なはずです。にもかかわらず、資源国や新興国の株式市場は落ち着いています。これはいったいはなぜでしょう? 

 世界経済や株式市場が2013年当時より「イベントへの耐性」(突発的悪材料に過剰反応しない)を備えていることもありますが、最大の理由は米国長期金利が上昇していない(むしろ低下さえしている)からです。

 米国経済はトランプ政権への期待がはげ落ちて息切れしていますし、長期金利はFRBの資産縮小が景気の悪化を招くことを織り込んですでに低下しています。つまり、2013年当時のような、資源国や新興国からの資金流出が起きていないだけなのです。

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