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「過食と残業」やめられない人の意外な共通点

6/28(水) 10:00配信

東洋経済オンライン

「人を動かす」をテーマにした書籍、『仕掛学』(松村真宏著)と『行動デザインの教科書』(國田圭作著)。

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「仕掛学」とは、人がつい何かをしたくなる仕掛けを工夫して、世の中のいろいろな課題を解決するアプローチ。「行動デザイン」とは、人の行動を変化させる感情の原理を分析し、マーケティングに役立てるアプローチ。実は、その根底にある人間心理への洞察に多くの共通点が見られます。
著者2人の対談を通して、止めたくても止められないものの代表格、「残業」と「食べすぎ」を例に、「仕掛学」と「行動デザイン」の活用法をご紹介します。

■9割の人が「やめたいのにやめられない」ことがある

 國田圭作(以下、國田):今日はちょっと面白い調査データを持ってきました。

 「やめたい」と思っていながら「やめられないもの」ランキングです。1位が喫煙、2位に間食、3位が飲酒で、5位に食べすぎが入っている。ギャンブルや無駄遣いよりも食べ物関係が上位なんですね(出典:博報堂行動デザイン研究所自主調査/2017年2月/対象:全国20~69歳男女・計1000人)。

 そして6割の人が、「やめたいと思っている習慣が2つ以上ある」と言っていますが、93%の人が「やめたいと思っているのにやめられていない」状況です。これを「仕掛学」と「行動デザイン」を応用して、なんとかやめる方向に誘導できないか、と。

 松村真宏(以下、松村):「仕掛学」と「行動デザイン」をうまく組み合わせたら、最強の問題解決策が生まれるかもしれませんね。

 ただ、ちょっと難しいのは、「仕掛学」は何か行動を起こさせるのは上手なのですが、今やっている行動をただやめさせるのはあまり得意じゃないんです。

 國田:そうなんですか。「行動デザイン」では、「リスク感」や「コスト意識」を重視しているので、今やっている行動のリスクやコストを明確に意識するようになれば、やめる方向に向かうのではと考えていました。


 松村:多くの習慣行動はほぼ無意識なので、そのことに気付かせるのはけっこう難しいかもしれません。

 内心では「これはよくないかも」と気付いていても、その行動に快感があると自分を正当化する方向に向かいます。なので「別の選択肢」を用意して、自分で選べるようにしてあげるのがいいんですね。

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