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消費は小売り・サービス業で大きく回復している

6/28(水) 7:16配信

会社四季報オンライン

 このところ国内消費の回復を示すデータが増えています。現在の景気は「消費低迷」が最大の弱点となっていますが、それもようやく回復の兆しが出てきたようです。

 最近発表された消費関連の指標をいくつか見てみましょう。消費動向を測る指標としてよく使われるのは家計調査の実質消費支出です。それによると4月の1世帯当たり(2人以上世帯)の消費支出は29万5929円で、前月比で実質0.5%の増加となったものの、前年同月比では1.4%の減少となりました。前年同月比での減少は14カ月連続で、この数字を見る限り消費は相変わらず低迷が続いていると言わざるを得ません。

 家計調査は総務省が全国の約8000世帯を対象に、毎日の購入品目やサービス支出などを具体的に調査用紙に記入してもらい回収・集計しているものです。しかし本連載でこれまで何度か取り上げてきたように、家計調査は消費実態より弱い数字が出る傾向があることや毎月の集計値にブレが大きいなどの問題点が指摘されています。サンプル世帯が少ないこと、回答者が高齢者世帯に偏りがちであること、調査対象の家庭では毎日の消費内容を細かく記入しなければならないなど負担が大きく、記入漏れや不正確な記入が多いためと見られます。

 したがって消費の動向を把握するには別の消費関連データを見る必要があります。ただ、消費の動向を消費者側から網羅的に把握できるデータが少ないのが実情です。そこで経済産業省が発表する商業動態統計の小売業販売額を見ます。家計調査が「買う側」、つまり需要サイドのデータであるのに対し、小売業販売額は「売る側」、つまり供給サイドのデータです。

 それによると4月の小売業販売額は11兆8140億円、前年同月比3.2%増でした。前年同月比の推移を見ると昨年はマイナスが続いていましたが、昨年11月に8カ月ぶりの増加に転じた後、これで6カ月連続の増加です。しかも伸び率は拡大する傾向を見せており、4月の3.2%増は2015年4月(4.9%増)以来、2年ぶりの大きさです。

 2015年4月に大幅増加したのは、その前年同月、つまり2014年4月が消費税引き上げ実施により大幅に落ち込んだ反動です。したがって2015年4月の販売額の水準自体が大幅に増えたわけではありませんでした。

 このことは「小売業販売額指数」で見るとよくわかります。同指数は、2015年の販売額を100として、毎月の販売額を季節調整して指数化したものです。前年同月比の数字は、前述のような特殊事情、例えば消費増税後の大幅落ち込みや増税前の駆け込み需要などがあると一時的に変動が大きくなります。そこで販売額指数も見ることが必要なのです。

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