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初の試み、ダブル審査区間は成功したのか?【D1GP TSUKUBA DRIFT】

6/28(水) 16:33配信

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こっちもあっちも審査区間!?



茨城県・筑波サーキットで行われたD1GPシリーズ第3戦で、これまでになかった新しい試みがなされました。それは、審査区間がふたつ設定され、メインの審査席からは直接見ることができない区間までが審査区間となったことです。

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これまでドリフト大会の審査区間は、審査席から見渡せる範囲内で設定されるのが常識でした。だって、見えなかったら審査できないですもんね。これがレースと大きくちがう点でした。レースは生観戦すると全体が見られないので、自分が見ていない場所でなにかが起きてもわからないんですよね。

その点、ドリフト競技は、基本的に、お客さんにも全部(あるいはほとんど)見えるというよさがありました。

いっぽうでドリフト大会の審査区間の設定にはデメリットもありました。お客さんは1つのコーナーの周辺でしか観戦できない。開催にはコース全体を借り切る必要があるのに、お客さんを入れることができるのは一部分のエリアだけということになります。これは収益の面で不利です。

特に、筑波サーキットの第1ヘアピンなどは、スピードもちょうどよく、テクニカルなコースレイアウトで、ドリフト大会の開催コースとしては非常にいいんですが、地形の関係などもあって、第1ヘアピンの観客席の収容人数が少ない。仮設スタンドを建てるにしても大きなものは建てられないし、費用もかかってしまうわけです。



そこで今回試みられたのが、筑波サーキットの最終コーナーから1コーナーまでと、S字から第1ヘアピンまでという、ふたつの審査区間を設けるというものでした。

これなら、広い区間の観客席でお客さんに見てもらうことができる。とうぜん審査員からすべての審査区間が見えるわけではありません。

それなのにこの方法が可能になったのは、単走は機械審査システム「DOSS」で採点できるようになったこと、それからコントロールタワーで審査区間すべての映像をチェックできる設備があったこと(リプレイも可能)によるものです。

もちろんコントロールタワー以外にも審査員は配置され、コースアウト等をチェックしていました。これにより、メインストレートのスタンドにもお客さんが入りました。



で、この大会がどうだったかというと、ちょっとビミョーだったかな。

まず、観客席のお客さんにはコース全体は見えません。そこで、大型ビジョンを用意して映像を流すことで、ストレートのお客さんにはS字とヘアピンの走りも、ヘアピンのお客さんにはストレートの走りも見えるようにはしていたのですが、どうもこのスクリーンが小さくて、よく見えなかったようです。また、音響の問題で実況の音声がきれいに聞き取れなかったという話もありました。

競技の内容自体もビミョーでした。ふたつの審査区間のあいだにはグリップ走行の区間が設けられてしまったため、ドリフト競技としては「あれ?」と思うようなグリップ走行の光景が見えてしまいました。

また、そもそも筑波の最終コーナーから1コーナーは追走をするのがすごく難しいコース設定でした。そのため、接近した勝負が見られたのはごくわずかでした。さらに、前半の審査区間と後半の審査区間のあいだのグリップ走行の区間をうまく走れないドライバーも多く、後半でも接近できなかったケースが多く見られました。さらに、今年からは単走と追走ベスト16のあいだでタイヤを交換するとペナルティとして2ポイント減算というルールがあるのですが、実際にはタイヤ交換しないと走れない車両も多く、走行前から2ポイント減算された選手が何人も出て興ざめでした。

というわけで、このダブル審査区間方式は、今回に関してはいまひとつだったと思います。ただ、まったくダメかというと、そうでもない気がします。

まず、いろいろな要素が入ったエキサイティングなコース設定ではあったので、ビデオで見るぶんには面白いんじゃないかな? そして、準決勝以降の追走に関しては、かなり見ごたえがありました。

現地観戦にしても、設置するスクリーンをもっと大型のものに変更すれば、反対の区間の走りも見やすくなると思うし、審査区間のあいだのグリップ区間の設定も変更することは可能でしょう。追走で接近戦が少なかったのは、ドライバーのスキル向上や慣れで改善されると思います。タイヤ交換のルールもこのサーキットでは緩和してもいいかもしれません。いろいろむずかしい要素もありますが、来年は様々なことが改善されることを願います。

そしてこのコース、パワーのあるクルマが特に戦いやすい設定だったようですが、最後はGT-Rの川畑選手が、コルベットの齋藤選手を倒して優勝し、ポイントランキングでもトップに立ちました。





(まめ蔵・写真提供:サンプロス)

最終更新:6/28(水) 16:33
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