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死を告げられても人の声は聞こえている、は本当か

6/29(木) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 死を迎えるその時、人の「最後の記憶」は何になるのだろうか──当然だが、その答えは死ななければ知ることができない。だが、多角的に検証してみると、今際の際まで人の感覚として残っているのは「聴覚」なのだという。

 大人気ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)に登場した台詞が話題になっている。6月14日放送回で、シナリオライターの主人公・菊村栄(石坂浩二・76)は、老人ホームの仲間である“大納言”こと岩倉正臣(山本圭・76)や“マロ”こと真野六郎(ミッキー・カーチス・78)と釣りに興じていた。なかなか釣果の上がらない3人は、近い将来訪れるであろう自分たちの「死の瞬間」について語り出す。

 そんな中、大納言が「知ってる?」と切り出した。

「人間が死ぬとき、聴覚だけは最後まで長く生きているらしいね」

 それを聞いた2人は、「え!」と驚きの声を上げた──。

「死の瞬間も声だけは聞こえている」という話は、どうやらドラマの“創作”ではないらしい。

 ちなみに「聴覚 死」というキーワードでインターネット検索してみると、〈聴覚は最後まで残る感覚〉〈死後数分は聴覚が生きていて、聞こえていると聞いたのですが本当でしょうか〉〈死んだ直後も人間は人の話し声が聞こえる〉などの記述にヒットする。

 実は、そうした説を裏付けるような科学的な研究結果もある。2014年10月、英国・サウサンプトン大学の研究チームが学術誌『Resuscitation(蘇生)』電子版に以下のような内容の論文を発表した。

 同チームは英国、オーストリア、米国などで、心停止から蘇生した患者330人のうち、101人に対して聞き取り調査を実施した。すると39%の患者が、心臓が再始動する前にも意識を自覚していたとの結果が出たのだ。

 さらに患者の1人は、研究者らが3分間隔で鳴らしたブザー音を「2回聞いた」とも証言した。その調査結果からは、人は心停止の後も周囲の音を認識していることが推測できる。『臨終の七不思議』(三五館)の著者で、医学博士の志賀貢氏もこう話す。

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