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「義足なのにすごい速い」  小学生、体験授業で義足着用

6/29(木) 16:27配信

オーヴォ

  小中学生に義足を体験してもらい、自分とは違う他者への理解を深める「ユニバーサル・ラン〈スポーツ義足体験授業〉」が6月29日、東京都江東区豊洲の「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」で開かれた。このイベントは、株式会社LIXIL(本社・東京都千代田区、社長・瀬戸欣哉)が、多様性を理解し互いに受け入れることを学ぶ目的で主催し、今年4月から全国で展開している。


 29日の公開授業には、江東区立豊洲西小学校の6年生、43人が参加。講師は国内義足メーカーの井上友綱さん、オリンピックに3度出場した陸上男子400メートル障害の日本記録保持者、為末大さん、ロンドン、リオデジャネイロ両パラリンピック陸上代表の佐藤圭太選手(トヨタ自動車)、車いすバドミントン
の第一人者でLIXILの社員でもある長島理選手が務めた。


 井上さんや佐藤選手から、義足について説明を受けた後、子どもたちは実際に義足を着用して歩き感触を確かめた。競技用の義足はブレードの部分が大きく弾むため、着地した時の左右のタイミングが合わず、最初は恐る恐る試した。慣れてくると小走りになる子もいたが、みんな「歩くのが難しい」と感想を口にした。
 体験の後は講師による授業。義足を使い始める原因にはけが、病気、戦争、地雷などいろいろあり、日本では約6万人が使用していること。義足には通常の生活に使用するタイプ、カーボン製の競技用タイプ、内蔵されたモーターで足首が動くロボットタイプなどがあり、価格も普及タイプの数万円から、ロボットタイプの150万円まですることなど、義足の知識を学んだ。

 サッカーをしていた佐藤選手は中学生の時に「ユーイング肉腫」で右膝から下を切断。義足で陸上を始めた時は「また走れるようになって、うれしかった」と話すと、子どもたちは静かに聞き入った。長島選手は車いすに座ったまま、サーブを打つと、そのスピードに子どもたちからは驚嘆の声が。佐藤選手も長島選手も、日常生活で不便を感じることはほとんどないそうだが、義足体験を通じて「普段、体調の悪い子やけがをしている子がいたら思いやるようにしてください」(佐藤選手)「車いすの人がいたら、どれくらい助けてほしいのかを見極めてから助けてください」(長島選手)と訴えた。最後は学年代表の3人と為末さん、佐藤、長島両選手の6人でスペシャルラン(競走)。佐藤選手の圧倒的な速さに代表の3人は「すごい」と驚いていた。

 このイベントの意義について為末さんは「2020年パラリンピックのレガシー(遺産)についていろいろ議論されているが、一つはハード面、一つは車いすの改善、開発、そして一番大事なのが車いすの人をさりげなく助けるという意識改革だと思う」と話した。佐藤選手は「義足を着けているのにぼくを格好いいと言っ
てくれた。うれしかった」と話し、長島選手も「車いすのぼくをヒーローとして扱ってくれた。いつまでもヒーローでいられるよう努力しなければ」と、子どもたちの純粋な思いに触れて意欲を新にしたようだ。

最終更新:6/30(金) 11:48
オーヴォ

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