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スー女が注目 ウィル・スミスも及ばぬ呼び出し・大吉の魅力

6/29(木) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 相撲ブームが沸騰している。「謎のスー女」こと尾崎しのぶ氏が、現在相撲コラムを週刊ポストで執筆中。今回は、取組の際に力士を呼び上げたり、タオルや塩の管理などを行う「呼び出し」について尾崎氏が綴る。

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 二〇一一年九月場所。夕方に当日券を買いマス席に座ると、近くに知人がいた。アメリカで暮らしているという三十歳くらいの娘さんを連れていた。

「誰がお好きなんですか?」

 そうたずねると、娘のAさんは土俵を指さし、あの人です! と言った。私は、今は誰対誰かと取組表を見たのだが、Aさんが好きなのは、呼び出しの大吉なのであった。初恋の人は朝潮(大関)で、そして今は大吉のファンなんです、と頬を赤らめた。私は息を飲んだ。「一番好きな相撲人」が呼び出しだとは。私なりに分析すると、大吉はかつての高見山にも通じる、高砂部屋に生息するコミカルモンスターというタイプである。

 テレビで相撲中継を見ていると、力士は花道から控え、取組と、一日あたり五分程度しか映る時間がないけれど、タオルや塩の管理をする呼び出しは丸々一時間は映り続ける。私がまず覚えたのは、おぼっちゃまっぽい太助といたずらっ子のような三白眼の重太郎のデュオだった。

 ネットオークションで落札したベースボール・マガジン社『相撲』一九九八年十一月号に「呼び出し身長体重番付」が載っている。重太郎は七十六キロで体重十四位にランクインしていた。九重部屋のちゃんこが美味しすぎて太ってはダイエットを繰り返しているそうだ。

 身長一位体重三位(百七十九センチ、九十七・五キロ)の安喜夫(現・照喜)は序二段力士であったからうなずけるのだが、二位の琴吉に四十キロの差をつけてぶっちぎりの体重第一位は、百四十二・五キロの大吉だ。前年には百五十キロを超えていた(お腹に触ると麻雀で勝てる、と記者に人気)。

 大吉は、力士志願だったが身長が足りず呼び出しになった。マンゴーのように張った全身から美声を響かせる。Aさんは「もしも自分が力士だったら大吉に呼び上げられたら絶対に勝てる、逆に某三役呼び出しだったらエネルギーが削がれてしまう」と言う。なるほど、大吉の太い声には「うん! がんばるぞ!」と思えてくる気がする。同時に対戦相手も大吉に呼ばれているわけだが、そこはAさんには気にならないらしい。

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