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そうだったのか! 氏名の記入例が「山田太郎」である理由

6/29(木) 6:01配信

オトナンサー

 各種申請書などの記入例において、必ずと言ってよいほど目にする「山田太郎」という氏名。「『山田』も『太郎』もありがちだから使われている」と、漠然と考えている人は多いかもしれませんが、実際の理由はどのようなものでしょうか。

 オトナンサー編集部では、7月6日に小学館より新刊「名字でわかる あなたのルーツ」を出版する、姓氏研究家の森岡浩さんに聞きました。

太郎は長男を意味する「輩行名」

 まずは「太郎」です。森岡さんによると「太郎」は本来、長男を意味する「輩行名(はいこうめい)」でした。輩行は「兄弟」のことで、輩行名は「太郎」「次郎」「三郎」といった具合に、兄弟の出生順を表す名前のことです。

「江戸時代以前から、本名とは無関係に長男が『太郎』、次男が『次郎』と名乗り、その家の何番目の子かを表す慣例がありました。昔話などに『太郎』がよく登場するのはそのため。次男や三男よりも多い長男を表す『太郎』は、人々に最も親しまれる名前だったのです」(森岡さん)

 人々になじみのある名前だったことから、記入例に広く使われるようになった「太郎」。それでは「山田」はどうでしょうか。

 森岡さんによると、2016年4月時点で、日本において最も多い名字は「佐藤」で全国に約200万人。以下2位「鈴木」(約175万人)、3位「高橋」(約145万人)と続きますが、「山田」は12位でトップ10にも入っていません。

「しかし、全国的に見ると、佐藤や鈴木は分布に偏りがあります。佐藤や鈴木は東日本に多い一方、西日本ではトップ10圏外の地域も少なくありません。また、田中のように西日本に多い名字もあるのです」

 その点、高橋や山田は地域的な偏りがなく、全国に満遍なく分布する名字といいます。しかし、山田よりランキング上位の名字があるにもかかわらず、山田が選ばれたのはなぜでしょうか。

「最も多く名字に使用される漢字は『田』『野』『川』『山』『谷』の5つですが、この漢字だけで構成される上位の名字は山田だけ。つまり、日本全域で親しみを感じる人が多い山田と太郎を組み合わせた『山田太郎』は、誰が見ても『普通の氏名』に見えることから、記入例に広く使用されているのです」

 ちなみに、NHKの調査によると、「山田太郎」が使われ始めたのは、山田太郎さんの歌「新聞少年」がヒットした1965年頃とされているようです。

■森岡浩公式ホームページ
http://office-morioka.com/myoji/index.html

オトナンサー編集部

最終更新:6/29(木) 6:28
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