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“鬼門ソフトバンク”は余計なお世話。西武・菊池は勝利への義務感捨てよ【小宮山悟の眼】

6/29(木) 10:00配信

ベースボールチャンネル

 西武の菊池雄星投手が6月23日のソフトバンク戦で黒星を喫した。デビュー以来、通算16試合で勝ち星なしの11連敗。鷹打線を攻略できない理由はどこにあるのか。

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■試合展開は巡り合わせ。菊池の問題だけではない

 西武の菊池雄星が6月23日のソフトバンク戦に先発し、3回途中7失点でKOされた。この試合まで防御率1点台だった菊池が打ち込まれたのは、非常に残念だった。これで菊池はプロに入団してから16戦、ソフトバンクに未勝利だという。世間ではそのことについて騒がれているが、菊池に何が起きているのか。

 選手の側からすれば、「ソフトバンクに未勝利」「ソフトバンクが苦手」という風に毎回書かれるのは、本当に迷惑な話だ。「そんなことわかっているよ」、「ほっといてくれよ」というのが正直な気持ちだ。
  
そもそも試合とは勝つか負けるか。相手打線を抑えても点が取れなきゃ勝てない。勝たないといけないと思って投げて、1点2点を先制される。さらに味方打線が意気消沈という展開になった場合、これ以上は点をやれないと思って投げるものの、結局しびれを切らして追加点を与えて敗れる。そういう試合展開は巡り合わせの部分がある。

 実際は菊池が満足したピッチング内容で投げている時もある。菊池側の問題というよりも、ホークス打線が菊池を怖くないと思っているのが一つの要因として挙げられる。ホークスだけに勝てないというのは、そこにも要因がある。


■敵地のマウンドに慣れるしかない

 もちろん、球場によってマウンドの合う、合わないはあるだろう。本人がそれを口にしているならなおさらだ。

マウンドの違いというのは、傾斜の塩梅が球場によって違うというのが一つ。ブルペンと実際のマウンドが全く異なっているという球場もある。さらには、マウンドから見える景色の違いというのも投手にとっては大きく影響してくるのだ。バックネット裏のスタンドの傾斜が緩やかなのか、急なのかで見え方が変わってきて、圧迫感を受けるのである。

 西武はこの2年間、菊池をヤフオクドームで1試合しか投げさせなかった。2015年の5月以来、登板がなかったらしい。彼に気を遣って登板を回避していたのか、チーム事情の細かいところまでは分からないが、真のエースというのはコンスタントに中5、6日で投げ続けるものだ。そんな過保護なことをしてはいけないだろう。

 各球場のマウンドの違いは慣れていくしかない。菊池がこれから何度あの球場で投げる機会があるかは分からないが、回数を重ねることで変わっていくだろう。私自身は、そんな大きな問題ではないと思っている。


■自分自身を納得させる投球を

 菊池は余計なことを考えて投げているのではないかと思う。負けが込んでいるときほど、(ホークスは)嫌だ嫌だという気持ちになっているはずだ。アドバイスをすると、ひとまずは勝たなきゃいけないとは思わないことだ。

例えば、この試合は完投する。あるいは、7回を2、3点以内に抑えるというところに目標を置く。その結果、惜敗することがあっても、「きょうは好投したんだ」と自分自身を納得させるだけの投球ができれば、気にしなくていい。大きくいえば「先発としての最低限の仕事はした」「点を取ってくれれば、勝てたんじゃないの」と思えるくらいのピッチングをすれば、それでいい。

「ソフトバンクに勝てない」「苦手意識がある」と言われ続けるのは嫌だと思うが、16戦未勝利? それほど気にすることはない。


小宮山悟(こみやま・さとる)

1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。


氏原英明

ベースボールチャンネル編集部