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3キャリアから出そろったスマホ夏モデルを辛口ジャッジ!

6/29(木) 7:20配信

@DIME

 スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は夏スマホの○と×について話し合います。

【写真】格安スマホなのに高級!?ハイエンドなSIMフリースマホは売れるのか?

石野氏:夏モデルをキャリアごとに見ると、ドコモはガイドラインの影響をもっとも受けなかっただけあって、機種が豊富で「Xperia XZ Premium」を独占したりして、良いラインアップを組めている感じがします。auは京セラがいて良かったなという感じ。やっぱり株主は強いなと。ソフトバンクはやる気のなさがすごい。

石川氏:4、5年前の夏商戦は端末ラインアップが少なくて、auは4機種くらいしか出していなかった。秋にiPhoneの発売があるから、夏商戦はどこも力を抜いている感があったんだけど、なぜかここ最近は多い。今夏はドコモもau9機種。みんな大丈夫なのかなという気が正直する。

石野氏:販売期間が長くなっているから先に出しておいて、冬に値崩れすることを視野に入れている感じだとは思います。

石川氏:とはいえ年末商戦もある。

石野氏:auに関しては、いつも夏モデルを出し過ぎな気がする。

法林氏:auは今回「TORQUE G03」がなかったら……

石野氏:「Qua Phone QX」も。京セラさまさま。

法林氏:Qua Phoneはリニューアルレベルじゃないですか。TORQUEがなかったら何もないもんね。

房野氏:「HTC U11」はどうですか。

石野氏:HTC U11はソフトバンクでも出ていて、オリジナリティがますますなくなっている。そういう意味だと、Xperiaをうまいこと取って、世界のサムスンにオリジナルモデルを作らせてしまうドコモは圧倒的に強いなと思いました。さすが森プロダクト部長(ドコモ プロダクト部長 森 健一氏)。

石川氏:LGがなかった。「LG G6」がないのはびっくりした。

法林氏:結構ショックだった。

石川氏:ドコモにないのは仕方がないかなと思ったけれど、KDDIにもなかった。

石野氏:“isai 6“がない。

石川氏:あんな王道端末を作りながら、もう出るタイミングがないんじゃない。

石野氏:縦型ディスプレイのトレンドを「Galaxy S8/S8+」がせっかく作ったので、流れに乗ればいいと思うんですけどね。このタイミングでGalaxyを持ってこれないソフトバンクの情けなさもある。

法林氏:GalaxyがS8とS8+の2機種になったことが影響した感はあるかな。HTC U11を取るか、LG G6を取るか、どちらが良かったか結構悩みどころだと思う。

石野氏:G6だと思うけどなあ。

法林氏:僕もそう思うけれど、そこでauは悩んだだろうね。

石川氏:HTCじゃなくてもいいような気はするけど。

石野氏:取っておかないと、HTCがソフトバンク独占になっちゃうのを気にしたんだろうなあ。

石川氏:auとしては、かつてHTC端末をずっとやってきたので、そのユーザーを拾うためだと思う。「Disney Mobile on docomo」も、ドコモだったら出し続けないといけないだろうし、メーカーがいる限りは出さないといけないということだと思う。

石野氏:今回のHTCは、僕の知っているHTCではなかった。HTC日本のスタッフも知っている人はほとんどいなくなってしまい、端末もガラリと変わった。ピーター・チョウ(元HTC CEO)がいなくなってから雰囲気が変わった印象があります。メタルボディをやめたし、「HTC J butterfly」路線に寄せたのはいいけれど、うーんという感じ。

 台湾でU11の発表を見たとき、音質をチェックするデモがあって、Galaxy S8と聴き比べをしたんですけど、端末を並べるとGalaxy S8の方が良く見えるので止めた方がいいと思った。ディスプレイの未来館もあって、パッと見ではGalaxy S8と並べるとU11の旧端末感がすごい出る。握る操作(エッジ・センス。本体を握ることでカメラなどアプリを起動して操作できる)は面白いと思うんだけど、シャープもやっているし、ちょっとなんか……。

法林氏:周回遅れ感がある。

石野氏:グローバルの業績も落ちているので、勢いがない感じがする。VR端末「LINK」は面白いけど、あの値段だとサムスンの「Gear VR」のように配れないし、スマホをポケットに入れながらヘッドマウントディスプレイを付けて遊ぶかといわれると、うーんという感じがする。LINKも、やろうとすると家族がいる前提になるのでエロも見にくいし(笑)、エロを見るだけだったらGear VRで十分だし。スマホのVRの中ではクオリティが高いとはいえますけど。

 あと、HTCに関してすごい気になったのが、相変わらずマニアを狙っていくような発言を社長がしているところ。今、スマホはそういう競争じゃない。詳しい人は分かってくれるといっても、それで台数何台出ますかという話になる。ネットプロモーションをやっているけれど、どうなんだろう。SIMフリー端末だったらそれも分かるけれど、大手キャリアに出す端末では戦略ミスなんじゃないかと感じました。

法林氏:グローバルな会社のメディアに対するPRの考え方と、日本市場向けのPRの立場は、実は構造論が違う。グローバルな企業は1回やってみて失敗して、それぞれの国に合わせていく。サムスンがいい例で、最初はごく一部のブロガーやライターを韓国につれていって、プロモーションしてたけど、今はそうじゃなくて、日本でメディア向けの発表会をするし、説明会もする。HTCは相変わらず、メディア対する発信はリリースだけでいいけれど、ブロガーイベントだけはやりますという。それも仲良しな人だけ呼ぶみたいなイベント。自分たち、好きな人たちだけで勝手にやっている世界で、ユーザーのことは見ていないようにみえちゃう。仲のいいお客さん、HTCを使っている熱烈なファンしか見ていない。

石野氏:好きな人を広げようとせずに、今ある少ないパイで戦おうとしている。

法林氏:もしかして今回がラストチャンスかもしれない。

石野氏:乃木坂46を使ってHTC J butterflyをPRしていたときには、ファンを広げる考えがあった。日本専用に作って、それを台湾やアジア圏で売って、うまいやり方をしているし、がんばっているなと思ったんですけど、急に変わった。CEOが交代し、業績不振になり、ソニー・エリクソンから入社した人材も続々といなくなり、HTC日本は社長が急に辞め、うーんという感じですね。

石川氏:外部の会社になっていくというか、VRで生きていくしかないのかなという気がするな。

法林氏:VRもどこまでうまく行くか。KDDIの津波災害シミュレーションではViveが使われているし、ハウステンボスのVRテーマパークもViveだよね。一生懸命やっているし、法人需要が多いのは確かだけど、いつどこで置き換わるか分からない世界。

石川氏:現状、Viveはオープンなのでアプリが作りやすいし、パソコンで動かせるからいいですけど、これからGoogleのDaydreamが出てきて、しかもスマホのいらない専用ヘッドセットも出てくる。そうなるとスマホみたいにダメになることもあり得る。

石野氏:スマホでは同じ台湾の会社であるASUSに大きく離された。

法林氏:対照的だよね。ASUSはお客さんを広げることとか、お客さんを見ようとしている姿勢を感じる。ジョニー・シー会長の独特の語り口は、お客さんに対する愛が見える。お願い、使って! みんなのために作った! という気持ちが見える。

石川氏:HTCもピーター・チョウの頃はそうだった。彼がいなくなった段階で、本当に別の会社になってしまった。

法林氏:お客さんのことを考えていないとまではいわないけれど、愛情を感じない。

石川氏:メディアのこともさっぱり考えていない。U11の説明会をドコモの発表会にぶつけるとか。

法林氏:グローバルの会社を、日本法人がどうやって日本のマーケットでモノを売るように動かしていくかは、すごい大事。

石川氏:グローバル企業の日本法人って核がないじゃないですか。社長はコロコロ変わるし、人もどんどん動いていく。どうするとうまく行って、どうするとダメなのか。

法林氏:日本でスマホのシェアを半分持っているところみたいにするんだよ。

石川氏:Appleは成功しているからうまく行っているんですよね、HTCは大きな成功はしていないのでね。

石野氏:サムスンは、必ずしも実績が伴っているとはいえないけれど、存在感という意味ではうまいことやっている感じですね。ファーウェイも。

■「dtab Compact」が採用したeSIMの利便性

房野氏:ファーウェイといえば、ドコモの「dtab Compact」がeSIMに対応しましたが、あれはどうですか?

石野氏:面白いんですけどね。もうちょっと料金的なメリットがあるといいなと思いました。プリペイドで使えたり、解約と契約が自由にできたりすると、eSIMの利便性を享受できる機会が増える気がします。今のままだと、ポストペイの普通のプランを契約すると、結局eSIMに書き込むのは1回だけで、だったら普通のSIMでいいじゃんってことなので。

法林氏:言われたのは、開通作業をしない状態の端末をオンラインショップ販売するということ。本人認証の関係でデータプランしか選べないようだけど、端末自体は音声通話が使える。

石川氏:買って開けたら、そこから自分で書き込む。

石野氏:(eSIMの)Apple SIMは、海外に行ったときに利便性があるんですよ。ドコモはキャリアなのでやりにくいのは分かるんですけど、せっかくだから「ドコモスマートアイランドプロジェクト」と絡めて、グアムで運営しているDOCOMO PACIFICのデータも書き込めるようにするとか、「コネクサス・モバイル・アライアンス」(アジア・太平洋地域の携帯電話事業者アライアンス)に加盟しているので、そこに話をつけて他の加盟会社のデータを書き込めるようにするとか、もうちょっとやりようがあると思います。「eSIM載せました、自分で書き込めます」というだけではかなりのマニアしか喜ばない。今のままだと普通のSIMと何も変わらないか、むしろ自分で書き込まなくてはいけない分、手間がかかる。eSIMならではのサムシングがほしい。でも、可能性はある。

法林氏:Apple SIMは便利なので、もうちょっとeSIMのソリューションが出てきてもいい。

石野氏:さすがに国内でソフトバンクの情報を書き込めるとか、そんなことは期待していないので。

法林氏:海外に行ったときに、現地SIMの情報を書けるのはいいよね。

石野氏:国内だったらせめてプリペイドプランを用意するとか。

法林氏:タブレットが売れていないといわれているけれど、料金プランをうまく作ればいくらでもできることがある。eSIMにしてプリペイドで使う形もあっていい。

石野氏:まずはそこですよね。

石川氏:dtab CompactにはMicrosoft Officeがプリインストールされていて、環境は整ってきている。パソコンじゃなくていいという人も意外と増えてきそうなので、まだまだ需要は掘り起こせるような気がするんですけどね。

■Galaxy S8/S8+はデザインも最先端

房野氏:この夏モデルで、一番印象的だと思ったモデルはどれでしょうか。

石野氏:Galaxy S8/S8+ですね。

石川氏:Galaxyかなあ。

石野氏:一人勝ちな感じがしたな。

法林氏:Galaxy S8+でしょうね。夏モデルをひと通り並べて見る機会があって、一緒にいた人が「これ、昔の端末みたいですね」って言った端末がXperiaなんですよ。今はGalaxyとか「AQUOS R」みたいに、背面をラウンドさせて処理するのがスマホのデザインの流れ。Xperiaは天地をスパッと切ったみたいな四角いデザインで、確かに並べてみるとそれが古臭く見える。ちょっともったいない。スマホのデザインは行き着いた感じがあったんだけど、Galaxy S8/S8+の縦に長くて上下の縁が狭くなったデザインを見ると、上下の縁が残っているXperiaは古臭い。

石野氏:iPhoneもちょっと古く見えます。Galaxy S8/S8+は、ほぼすべてのスマホを古臭く見せた。HTC U11と並べたときも思いましたし。

法林氏:今回のGalaxyはデザイン的にも一歩踏み出した感じがある。

石川氏:分水嶺ですよ。

房野氏:AQUOSが3辺狭額縁を止めたことが、かえすがえすも残念です。

法林氏:もったいなかったね。

房野氏:ただ、Galaxyのディスプレイはやはり画面割れが心配ですよね。画面が割れても90日間以内なら無料で直してくれるファーウェイの「VIPサービス」のようなものがあるといいと思うんですが。

法林氏:キャリアの補償サービスに入っていればいいだけのこと。あと、クレジットカードの保険も、いくつかはスマホにも適用される。ダイナースとアメックスは、自己負担額1万円で購入から90日間は携帯電話もショッピング保険の対象になる。dカード/dカードGOLDは偶発的な事故では補償される。すごいのはイオンカード。ショッピング保険は自己負担なしで180日間補償が受けられるそうです。

石川氏:イオンモバイルの場合、端末をイオンカードで買っていれば、保証サービスに入らなくてもいいってことですね。

房野氏:キャリアのポイントは修正代金や交換用端末の代金にも使えるみたいですね。

石野氏:1度Xperiaをバリバリにした以外、スマホの画面を割ったことがなかったんですよ。と思ってたら、買ったばかりのGalaxy S8 +を割ってしまった(笑)。

房野氏:ほかに端末で気になったところはありませんか?

石野氏:ソフトバンクが本当にひどい。

石川氏:今回も。Y!mobileが発表会をやっているのに、なぜソフトバンクがやらないんだと。

房野氏:ソフトバンクは今回、料金やサービスのアップデートは……。

石野氏:まったくない。しかもソフトバンクは今回、ハイスペックの方はAQUOS R、HTC U11、Xperia XZsと、全部他社とかぶっている。ミッドレンジの方はY!mobileのお下がりみたいな感じになっている。どっちがメインブランドか分からない。

石川氏:寺尾さん(Y!mobile事業推進本部 本部長 寺尾洋幸氏)の話を聞いていると、Y!mobileは考えている。今の市場や格安スマホがどうなっているか、戦略立てている感じがして、寺尾さんはすごいと改めて思うけれど、ソフトバンクでそういうことを語る人が誰もいない。ソフトバンクはだいぶやる気がない感じ。

石野氏:Yahoo!プレミアムの連携を見ても、最近はY!mobileをソフトバンクがキャッチアップしている感じで、逆転していないかと。

石川氏:ソフトバンクとしてソフトバンクブランドに興味がないんだろうな。とりあえず金曜日にクーポンを配っておけばいいか、みたいな。

石野氏:SprintとY!mobileにがんばってもらうみたいな感じになっていますね。

......続く!

次回は、WWDCについての会議です。ご期待ください。

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:6/29(木) 7:20
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