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「理想は子ども2人以上」と考える夫婦が直面する『2人目の壁』

6/29(木) 11:31配信

@DIME

子どもが欲しいと願う夫婦が直面する「2人目の壁」の問題をご存じだろうか。一般財団法人1 more Baby応援団が昨年、日本から少子化問題をなくしたいという想いのもと、4回目となる「夫婦の出産意識調査2016」を実施しているが、これによると、「2人目の壁は存在すると思うか」について尋ねたところ、『2人目の壁』について「存在すると思う」と答えた人は全体の73.5%となり、「理想の子どもの人数」の意向とは相反する結果となったことがわかった。

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■理想の人数、「2人以上」が81.1%で過去最高

実際の出産予定とは別に、「持ちたい理想の子どもの合計人数」を質問。その結果、全体(以下、最大のN数は2958名)のうち、48.7%の方が「2人」、29.3%の方が「3人」と回答し、「2人以上を理想としている」は81.1%であることが分かった。「理想の子どもの人数を2人以上」と考えている夫婦の割合は調査開始の2013年から増加傾向にあり、今回が過去最高となった。

■73.5%の夫婦が「2人目の壁が存在する」と回答

1more Baby応援団では、『2人目の壁』を「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第二子以後の出産をためらうこと」と定義し、これまで3回の調査を通じて、『2人目の壁』の存在を明らかにしてきた。今年もこの『2人目の壁』の考え方について説明したうえで、「2人目の壁は存在すると思うか」について尋ねたところ、『2人目の壁』について「存在すると思う」と答えた人は全体の73.5%となり、「理想の子どもの人数」の意向とは相反する結果となった。昨年の75.0%より減少したものの、依然として高い状況であることに変わりがない状況だ。

■「2人以上の出産」について、満足している家庭は98.0%

『2人目の壁』の存在が明らかになったが、実際に2人以上出産した夫婦に、家庭の幸福感について満足しているかを質問した。すると、98.0%の夫婦が「満足している」と回答。様々な理由から『2人目の壁』を感じる夫婦がいる一方、乗り越えた夫婦の多くは幸福感を感じ、生活に満足していることが分かった。

■『2人目の壁』を感じる原因は、「経済的な理由」が最多。フルタイムママは「仕事上の理由」も高い結果に

『2人目の壁』を感じる理由を尋ねた結果、「経済的な理由」がフルタイムママ・パートタイムママ・専業主婦ママともに、今年も1位となった。昨年、全体で3位だった「年齢的な理由」は43.0%で2位に、2位だった「第一子の子育てで手一杯」は39.1%で3位となった。就業状況別でみると、フルタイムママは「仕事上の理由」が58.3%という高い数値で昨年に続き今年も2位(全体では37.2%で4位)。産休の取得のしやすさや職場復帰などへのサポートが十分でない様子がうかがえる。パートタイムママも「仕事上の理由」と52.2%が答え、フルタイムママと同じ傾向であることが分かった。一方、専業主婦ママは「第一子の子育てで手一杯」(44.3%)に続き、「年齢的な理由」(43.6%)、「心理的な理由」(40.2%)と複数の理由を抱えている様子が分かった。

今回、初めて『2人目の壁』を感じる理由1位の「経済的な理由」について詳しく尋ねたところ、「現在の世帯収入では、2人以上育てるのに不安がある」が1位(61.5%)となり、2位「基本的な教育費用に対し不安」(44.0%)、3位「子どもの養育費を十分に確保したい」(39.0%)と続いた。子どもに満足な生活や教育を受けさせたい親の気持ちがうかがえる。

『2人目の壁』を感じる理由でフルタイムママ、パートタイムママでともに2位となった「仕事上の理由」についてみると、全体の1位が「育休、時短勤務など制度が不十分」(52.6%)、2位「仕事が忙しく、両立する余裕がない」(39.5%)、3位「周囲の目が気になり出産・育児休暇を取得し難い」(31.0%)と、育休や時短勤務など子育てに関する制度活用が進められている現在でも、実際には活用が困難であることをうかがわせる結果となった。さらに、全体で1位となった「育休、時短勤務の制度の不十分」については、フルタイムママが29.9%だったのに対し、パートタイムママは2倍近くの 57.6%と、大きな差が表れた。パートタイムママは、職場で利用できる制度が十分ではないと、より感じているようだ。

■「子どもが1人いる」家族の58.7%は、「保活がなければ、もう一人子どもを持ちたい」と回答
「保活(※)」に関する報道や待機児童問題への関心の高まりを受けて、出産に当たって「保育園入園に有利な時期を意識するか」を尋ねたところ、全体の30.4%が「意識する」と回答。また、「産休・育休取得が可能な時期を意識するか」という設問では、全体の25.4%が「意識する」と答えた。さらに、それぞれの設問を子どもの人数別にみると、子育ての経験が増えるにつれ、「保育園入園に有利な時期」を意識しており、子育ての上で産休や育休取得よりも保育園入園に有利な時期を重要視している様子が分かった。

※今回の質問での「保活」とは、就労条件を変更したり、入所しやすい保育園の近くに引っ越したりするなど子どもを保育園に入れるために保護者が行う活動として定義

「『保活』をしている(した経験がある)か」を尋ねたところ、全体で17.1%が「経験がある」と答え、「できることなら『保活』はしたくないか」と尋ねたところ、全体の76.9%が「したくない」と回答。「『保活』がなければ、もう一人子どもを持ちたいか」という設問には、全体の41.7%が「もう一人子どもを持ちたい」と答えた。子どもの人数別に見ると、「子ども1人」の約6割(58.7%)が「持ちたい」と答え、全体の数値を大きく引き離している。これらの結果から、「保活」や待機児童問題が「もう一人子どもを持ちたい」という子育て世代の気持ちを妨げている現状が垣間見える。

■「保活」はママだけの問題じゃない1?パパの5人1人が「保活」経験あり

「保活」に関する設問を子どもが1人と子どもが2人以上いるママとパパで比べたところ、ママが行なうイメージが強い「保活」に対して、パパの実態や気持ちが浮かび上がってきた。「保活」をした経験があると答えたパパは約5人に1人(19.7%)となり、ママの20.4%と僅か0.7ポイント差。ママだけでなく、パパも一緒 に「保活」に取り組んでいる様子が分かった。「できることなら、『保活』はしたくない」はママ(79.2%)とパパ(71.6%)の回答に7.6ポイントの差が出たが、概ねママとの「保活」に対する気持ちを共有できている。さらに、「『保活』がなければ、もう一人子どもを持ちたい」では、パパの数値(42.0%)がママの数値(41.2%)を上回り、「もう一人の子ども」への積極的な様子がうかがえる。

■フルタイムママの9割が、「子育てに関する制度と企業風土が整えば、働き続けたい」。さらに、70.9%は「同じ場所で長く働き続けたい」と回答

政府が掲げた女性の活躍推進策、国民総活躍社会の実現に向けた官民一体となった取り組みに期待が集まっている。そこで、フルタイムママに「子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、働き続けたいと思うか」と尋ねたところ、約9割(89.6%)が「働き続けたい」と答えた(全体では76.7%)。

また、「妊娠や出産、子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、管理職を目指して働きたいか」と尋ねたところ、フルタイムママの約4割(39.1%) が「目指して働きたい」と答えた一方で、「管理職への昇進や出世を意識せず、同じ場所で長く働き続けたいと思うか」という質問には、フルタイムママの7割 (70.9%)が「働き続けたい」と回答した。子育て世代にとって管理職や昇進よりも、できるだけ長く働き続けたいという願望がより強いのかもしれない。そして、「子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、男性も積極的に育児休暇を取得すると思うか」と尋ねたところ、フルタイムママの72.5%、パパ全体の 71.7%が「取得すると思う」と回答。男性の子育てへの意欲が垣間見えた一方、子育て世代にとってまだまだ制度の整備は十分ではないのかもしれない。

■5人に1人は子育てを目的とした移住に関する情報収集の経験あり!さらに、情報収集した半数が移住していた
「子育てを主な目的とした移住に関して、情報収集・検討したことがあるか」と尋ねたところ、全体の18.4%が「したことがある」と答え、移住に関連した活動をしていることが分かった。さらに、「子育てを主な目的とした移住に関して、情報収集・検討したことがある」と答えた人に限定すると、52.0%が移住していることが分かった。この結果から、子育てを目的とした移住は情報収集に留まらず、実際の「移住」行動につながっている現状が明らかになった。

子どもの人数別でもみると、子どもの人数が増えるにつれ、関連情報の収集や移住の積極的に行っている現状も浮き彫りになった。子育てを目的とした移住に関する情報収集、子育てを目的とした移住ともに、子ども2人の家庭の方が子ども1人の家庭より積極的に行なっている。

■子育てを取り巻く昨今の話題に対する反応

今回の調査では、昨今話題となっている子育て世代を取り巻く事象についても調査した。まず大きく話題になった「保育園落ちた」という匿名のブログについては、「共感できる」「やや共感できる」合わせて約70%となった。子育て世代には保活が切実な問題であることを裏付ける結果となった。

騒音を理由に保育園の建設が中止になった件については、「共感できない」が41.3%とトップ。「やや共感できない」を合わせると、共感できないと感じている人は77.2%に上り、事態を深刻に受け止めていることがわかる。

子どの声や遊具音に対する苦情に関して2つの質問を用意。東京都が条例を改定し、子どもの声などの音は数値規制の対象外としたことについては、「共感できる」「やや共感できる」の合計と「共感できない」「やや共感できない」の合計が拮抗する形になった。一方、「うるさい」などの注意を受けた経験があるかどうかを尋ねたところ、90%以上が「受けたことがない」と回答した。また、出産にあたり介護など両親/義両親の問題を意識するかどうかについては、約55%が「まったく意識しない(しなかった)」と回答した。

【調査概要】
調査対象者:N=2958
調査期間:2016年4月23日(土)~28日(木)
対象者条件:結婚14年以下の既婚者
性別:男女
年齢:女性20-39歳、男性20-49歳(男性は妻が39歳以下)
割付条件1:全国各都道府県均一回収(各県63名、高知県のみ60名)
割付条件2:既婚子なし/既婚子1人/既婚子2人以上 それぞれを均一回収⇒ 47(都道府県数)×3(子ども条件)=141セルのそれぞれを21名ずつ、計2958名回収(高知県のみ【既婚者子なし】は18名)
回収後、1.各都道府県の人口比、2.一世帯の子ども人数の構成比をH22年度国勢調査より算出してウェイトバックをかけた
調査方法:インターネット

文/編集部

@DIME編集部

最終更新:6/29(木) 11:31
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