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東芝総会、株主に広がる「疲れ」と「あきらめ」

6/29(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 危機的な経営状況にもかかわらず、妙に穏やかな株主総会だった。

 「おはようございます。私が社長の綱川でございます」

【写真】綱川社長は総会で株主からの質問に、「原則として1人1問2分以内で」と釘を刺した

 6月28日、千葉県の幕張メッセで開かれた東芝の第178期定時株主総会は、綱川智社長のこんなあいさつから始まった。そして綱川社長は「まずはお詫びを申し上げたく思います」と切り出した。

 総会で決算の報告ができないこと。法律で6月末までとされている有価証券報告書の提出を延期すること。未監査の暫定値ながら、3月末に5816億円の債務超過に転落したことで8月に東証2部へ指定替えが決まっていることなどを改めて説明。壇上の役員全員が起立して、4秒弱頭を下げた。

■「経営者から直接説明を聞きたい」

 総会が始まる前、10人の株主に話を聞いた。

 「憤りを感じる」(70代男性)と経営陣に対する怒りの声もあったが、「どうしようもない」(70代男性)、「上場廃止も想定している。こうなったら仕方ない」(60代男性)と“あきらめ”を語る株主が多かった。

 そうした中でもっとも多かったのは、「どんな状況なのか知りたい」(61歳男性)、「新聞などにいろいろな情報が出ているが、何が本当かわからない。経営者から直接説明を聞きたい」(48歳女性)というもの。

 しかし、経営陣がそうした株主の気持ちにどこまで応える気持ちがあったのか疑問が残る。

 「原則として1人1問、2分以内でお願いします」株主からの質疑応答の入る前に綱川社長はこう釘を刺した。ただ、株主に対する説明に誠実さが感じられないのは、質問制限があったからだけではない。

 「今、東芝は非常事態。現場に立脚した強力なリーダーシップが必要だ。現場の求心力を高めるために何をやっているのか」

 回答者こそ指名していないが、明らかに綱川社長に向けられた質問に答えたのは、人事担当の牛尾文昭代表執行役専務だった。

 債務超過解消の切り札として、東芝が進めている半導体メモリ事業子会社、東芝メモリの売却に対する株主の関心は高い。製造合弁のパートナーである米ウエスタンデジタル(WD)が東芝メモリの売却に反対し、訴訟になっていることを心配する質問も出た。半導体統括の成毛康雄副社長は「合弁のパートナーなので歩み寄るところは歩み寄り、係争はきちんとやる。早い解決を目指したい」と答えた。

■総会後にWDを提訴

 しかし、総会から1時間もしないうちに東芝は、「ウエスタンデジタル社に対する訴訟提起について」というプレスリリースを発表した。WDが東芝メモリの売却を妨害しているとして、そうした行為の差止めと総額1200億円の損害賠償請求訴訟を申し立てたことのアナウンスだった。

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