ここから本文です

新型カムリは日本のセダン市場を変えるのか?

6/29(木) 9:00配信

週刊SPA!

クルマを所有することが若者のステイタスだった80年代――。デートの前日、徹夜でマイベストテープをつくり、インレタでタイトルづけした記憶が懐かしい。そんな80年代から今も続くブランドのカムリとは?

⇒【写真】新型カムリ

 カムリだけど、カムリじゃない――。今年1月に、トヨタ自動車がアメリカのデトロイトモーターショー2017で初公開した新型カムリのことを、80年代のカムリを知る人たちは、そう思ったかもしれない。

「1980年に登場したセリカカムリはFR(後輪駆動)でしたが、セリカがはずれてからのカムリは、FF(前輪駆動)として代を重ね、2011年の現行から、日本仕様はハイブリッドのみとなっています」とは、トヨタマーケティングジャパンの大澤あつみ氏だ。

 カムリという車名が「冠(かんむり)」 に由来するということは、ご存じだろう。当時のトヨタにはカローラ(花の冠)、クラウン(王冠)、コロナ(太陽の冠)など、アルファベットのCで始まり、冠を表す意味を持つブランドが多かったのは有名な話だ。

 そんなカムリは、1988年から海外生産が始まり、本格的なグローバルセダンとしての歩みが始まる。

「カムリは、トヨタのグローバルミッドサイズセダンとして、100以上の国と地域で販売されています。累計販売台数は1800万台を超え、30年以上も世界で支持されてきました」

 そもそも高級スポーツセダンとして発売されたセリカ カムリは、当初はカローラの上位車種という位置づけの中型車だった。しかし、国内市場ではマークⅡ(のちにマークX)、クレスタ、チェイサーなどのメジャー車種に比べれば、地味な存在だったかもしれない。その一方でカムリはアメリカを中心に海外では大ヒット。トヨタの重要なブランドの一つとして、世界戦略車にまで上り詰めた。

 とはいえ、カムリが国際的にメジャーなトヨタ車だということは、クルマ好きでもない限り、日本人は知らないだろう。そんな歴史を持つカムリが、今回ガラリとキャラクターを変えてきた。

◆2017年夏ごろ日本でも発売される新型カムリとは?

「1月に北米の国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で発表された新型カムリ(米国仕様)は、トヨタの新たなクルマづくり、「TNGA」(Toyota New Global Architecture)に基づいて開発されています。例えばパワートレーンは、TNGAによって構造や構成を全面的に作り直し、高い走行性能と環境性能を両立させた新型エンジン『ダイナミックフォースエンジン』を初搭載しました」

 パワートレーン以外もプラットフォームなどをTNGAに基づいて刷新。低重心化に加えて、ボディとフロア剛性の強化、エンジンのマウント位置の見直し、リアへの新サスペンション採用なども行われた。

「米国仕様のハイブリッドモデルは、2.5リッター用のトヨタハイブリッドシステム(THSⅡ)を一新しました。小型・軽量・低損失化技術を高燃焼効率・高出力の新型エンジンと組み合わせることで、これまで以上に優れた動力性能・低燃費を実現しています」

 ガソリンエンジンモデルもハイブリッドモデルも、クルマのパッケージ全体が見直された新型カムリ。あわせて見た目もスポーツセダンへと変貌を遂げている。

 日本では2017年夏ごろの発予定しているため、現段階でわかっているのはガソリンエンジンモデル、ハイブリッドモデルともに米国仕様のカムリだ。日本仕様については、外観と室内の写真だけは公開されているが、詳細はまだわからない。

◆トヨタが考える理想の次世代グローバルミッドセダン

「先だって、日本仕様の外観と室内写真を公開しましたが、外観の変更点で大きなポイントはフロントフェイスです。スリムなアッパーグリルと大きく構えたロアグリルを対比させ、かなりワイド&ローな印象になったと思います」

 全体的にスポーツセダンらしい、カッコイイデザインへと変更される。インパネは近未来的なデザインに刷新。スタイリッシュなデザインへと変更されている。走りや乗り心地など、クルマとしての基本性能を鍛えこむとともに、先進技術・機能を通じ環境性能や安全性をさらに高めていくことを徹底的に追求。それによって、数値では表せない価値を生み、ユーザーの五感に訴えるクルマに昇華させるということをコンセプトに開発された新型カムリは、これまでのカムリが培ってきた高い品質、耐久性、信頼性や実用性などに磨きをかけただけではない。

 TNGAという新たなクルマづくりの構造改革で、一からクルマづくりを見直して開発された、トヨタが考える理想の次世代グローバルミッドセダンなのだ。

「トヨタのグローバルミッドサイズセダンとして、国内でも存在感をさらに高めるべく、カムリをどんなブランドにしていくかを社内で議論し、プロモーションを検討中です。クルマとしては、エモーショナルで美しいスタイルや、意のままの走りを実現していると思っています。カムリが登場した80年代は、スポーツカー、スペシャルティカーそしてデートカーなど、さまざまなジャンルのクルマがあったと聞いています。トヨタにも、ソアラやスープラ、MR2などがありました。そんな時代に青春を過ごした方々が、大人になった今、新型カムリに乗ってもう一度ワクワクしていただけると、うれしいです」

 縮小傾向にある国内セダン市場に一石を投じる存在になるのか? 新型カムリに注目が集まる。<取材・文/80′s青春男大百科編集部 撮影/難波雄史(本誌) 写真/トヨタ自動車>

日刊SPA!

最終更新:6/29(木) 9:00
週刊SPA!

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊SPA!

扶桑社

2017年9月19・26日合併号
09月12日発売

¥420

・負け組[50代]になる人の特徴
・[仮想通貨バブルで儲ける](超)入門
・[騒音トラブル]で殺されない方法
・[安くても美味しい食品]の見抜き方