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ウォークマンを買えなかったからアイワのカセットボーイ。思い出の80年代オーディオ名鑑

6/29(木) 16:00配信

週刊SPA!

80年代は音楽番組がたくさんあっただけでなく、レコードからカセットそしてCDと音楽を楽しむツールがうつり変わった時代。そんな時代に青春を過ごしたオーディオ好きたちが集結し、当時憧れていたオーディオや80年代の音楽の楽しみ方に花を咲かせました!

⇒【写真】『アイワ HS-P1』他80年代のオーディオ機器

◆青春時代に買った&憧れたオーディオや懐かしい音楽との思い出を振り返る

 80年代からバンドを組み、現在でも仲間と演奏。音響などのPAもこなす淡路氏(55歳)、都内にあるイタリアンレストランのオーナーシェフの亀田氏(53歳)、出版社勤務で80年代は欲しくても手が出なかったオーディオを今、買い集めている八満氏(47歳)。3人のオーディオ好きが80年代を振り返る――。

淡路:私の場合、80年代はミニコンポとラジカセで音楽を楽しんでいました。アパート暮らしだったので、昼はコンポで聴き夜はラジカセ。近所迷惑を考えて、音の大きさに配慮してた気がします。

亀田:私もミニコンポを持ってました。兄貴も自分のを持っていたので、家に2台もミニコンポがありました(笑)。80年代のオーディオで印象的だったのは、レコードプレーヤーではPL‐7Lなどパイオニアが人気だったこと。

 スピーカーはBOSEの音質が群を抜いていました。僕は101MMシリーズが値段的にも手ごろだなと思って買い、今でも使っています。コンパクトで置き場所にもそれほど困らない。どちらも一度購入したら、長くずっと使える名品ですよね。レコードプレーヤーの場合、消耗品は針だけですし。私の店で使っているレコードプレーヤーとスピーカーは、かれこれ30年以上たちますが、今でも現役で活躍してくれています。

八満:レコードプレーヤーは、デノンのDP‐57M、DP‐59Lを使っていた人も多かったですね。

淡路:オーディオマニアのなかには、コンポやスピーカーを自作している人もいました。

八満:電圧とかまで気にしてコンポを組んでましたよね。でも、そこまでして組んで聴いていた音楽がアイドルだった人がいて、ウケましたけど(笑)。

 私はどちらかというと、ジャズにハマっていたのでレコードを買い漁っていました。六本木にWAVEという有名なレコードショップがあって、当時はそこに買い物に行くのが本当に楽しみだった。その店があった場所は、六本木ヒルズになってしまいましたが。

亀田:当時は、都内にも中古のレコードショップがたくさんありましたよね。

八満:そんな感じでずっとレコードを聴いていたので、CDという規格が出たときには「こんなモノで誰が音楽を聞くんだろう」って思っていました。まあ、その後あっという間にCDで音楽を聴くのが当たり前になって、今では音楽をダウンロードして聴く時代になった。

◆ウォークマン(R)を買えなくてカセットボーイを買う

亀田:80年代の音楽シーンを語るうえで、ソニーのウォークマンははずせない存在ですよね。みんなウォークマンに憧れていたし、ほしかった。

淡路:80年代の私はまだ独身だったこともあり、お金には少し余裕があったので、ウォークマンは新製品が出るたびに買っていて、ウォークマンだけで3~4台は持っていました。その後もCDウォークマンやMDウォークマンと、新製品が出たらすぐに買っていたので、ウォークマンにはいくらお金を使ったことか。

八満:私はウォークマンが出た当時、まだ高校生でした。当然ウォークマンが欲しかったけど、こづかいで買うには高くて。高校生にとって3万~4万円はかなりの出費でしたし。お金持ちの同級生が持っているのを見て、とてもうらやましかった。

 そんな感じでウォークマンを買えなかった私は、アイワのカセットボーイを使っていました。貧乏学生は、カセットボーイや東芝のウォーキーなど、1万円で買えるものを使ってましたね。当然、ウォークマンのカッコよさにはかなわなかったけど、移動中でも好きな音楽が聴けるってこと自体が画期的だったので、カセットボーイには感謝しています。

亀田:今でこそ、移動しながらとか好きな場所で、聴きたい音楽を探しながら聴ける世の中になりましたけど、当時はそんな時代じゃなかった。好きな音楽を探すこと自体、ひと苦労。

八満:そうそう。今よりもテレビで歌番組があったけど、自分の好きな音楽が流れるとは限らなかった。そんな時代に重宝したのがラジオ。当時はラジオ番組が貴重な音源でした。みんなエアチェックして、自分好みの音楽をかけてくれる番組やラジオDJを探してた。

淡路:エアチェック!! なつかしい単語ですね。今の20代はエアチェックなんて知らないだろうなあ……。レンタルCD屋もそんなになかったし、ネットで簡単に検索できる世の中でもなかったし。

亀田:今はパソコンもスマホも普及してるから、検索すればYоuTubeで好きな音楽に出会えますもんね。

◆マイテープをつくるならダブルデッキのラジカセ

淡路:当時はラジカセを使って好きな番組を録音するのもよくやってましたよね。東芝のSUGAR RT‐SW7や三洋のMR‐WU4なんかカッコよかった。

八満:そうですね。私もラジカセはダブルデッキがすごく欲しかった記憶があります。ラジオ番組を録音するだけじゃなくて、カセット同士でダビングできるから。

 当時は、好きな曲を集めて自分好みのマイテープをつくるのが、はやっていましたよね。ちょっと気になる女のコに「好きな曲を集めてみたから、よかったら聞いてみて」って渡して「センスいいね、よかったよ」と言ってもらえるのが何よりうれしかった。あの瞬間はラブレターを渡すよりも緊張したなあ……。

亀田:マイテープは選曲もそうだけど、曲順も大事でしたよね。1曲目は一番アガる曲を入れて、その次は落ち着いた曲で……、とか考えながら、自分だけのオリジナルテープをつくっている時間がすごく楽しかった。

八満:当時売っていたCDアルバムを振り返ってみると、確かに1曲目や2曲目にイチオシの曲を入れるって風潮がありましたね。マイテープでも曲順は重要でした。音楽プレーヤーで聴くのが主流の今では、シャッフル機能とかもあるし、曲順を気にする人は減ったでしょうね。

<80年代オーディオ名鑑>

●パイオニア PL-7L

1984年に発売されたアナログプレーヤー。特徴は全方向ダブルインシュレーションシステムと、フードインシュレーションシステム。あらゆる方向からの振動を効果的に抑制して、優れた音質を届けていた

●デノン DP-57M

デノンの中級機を代表するレコードプレーヤー。電子アームを搭載して、レコード盤に多少の反りがあっても、ふらつきなくカートリッジの性能を引き出してくれる。音飛びがなく安定感から人気を博していた

●デノン DP-59L/M

デノンから1982年に発売されたレコードプレーヤー。特にDP-59Lは、一つ前の機種でベストセラーだったDP-60Lの「アームパイプ交換方式」に加えて、「純電子式アームダンピング機構」を搭載した製品だった

●BOSE 101MM

オーディオファンに人気だったスピーカーの筆頭がBOSE。なかでも101MMシリーズは、そのコンパクトさからは想像できない低音感や鳴りっぷりが話題となり人気だった。世界中でヒットしBOSEを代表する製品になった

●ソニー TPS-L2

初代ウォークマン。ソニー創業者の1人である井深大氏が海外出張の際に「飛行機の中でステレオ音楽を手軽に聴きたい」といったニーズから、再生機能専用のウォークマンが誕生した。ちなみに初期ロットには「WALKMAN」のロゴがない

●ソニー WM-2

2代目ウォークマンとして小型化と軽量化を目指した機種。単三電池2本で9時間連続再生ができ、付属のバッテリーケースに単一電池2本を入れると約60時間も使えたので合計69時間の連続再生が可能だったのも特徴

●ソニー WM-20

カセットケースサイズまで小型化されたウォークマン。テープの存在を確認できたり、斜めに配列された操作キーのスタイリッシュさが時代を象徴している。青やピンクなどカラーバリエーションも豊富だった

●ソニー D-50

世界初のポータブルCDプレーヤー「ディスクマン」。初期のCDプレーヤーは10万円以上の値段がしたが、それが安くなり庶民にも手が届く存在になった。CDの普及はこの機種と共にあったといっても過言ではない。1984年発売

●アイワ HS-P1

1981年に発売されたアイワ初の再生専用カセットボーイ。当時のミニ独立国ブームに乗っかり「カセットボーイ共和国」なる企画も展開された。他社製品より廉価だったこともあり、学生を中心に人気を博した

●アイワ HS-F2

当時としては世界初となる再生オートリバース付、録再が可能なカセットボーイ。当時は、オートリバース機能がない製品の場合、クルマの運転中にカセットテープをひっくり返そうとして事故を起こす若者も多かったとか。1982年発売

●アイワ HS-P5

1983年発売のカセットボーイ。世界最小最軽量(当時)のヘッドホンステレオが付いていたのが特徴だった。当時はヘッドホンステレオもインナーイヤー型、ヘッドバンド型などがあり、ユーザーの好みが分かれていた

●サンヨー MR-WU4

三洋電機のポータブルラジカセ。「おしゃれなテレコU4」のネーミングで親しまれたシリーズ。それまでのラジカセは黒が定番だったが、赤も人気に。アイドルがこのラジカセを持ち海辺を走るCMも当時の若者たちの心をつかんだ

取材・文/上野智

日刊SPA!

最終更新:6/29(木) 19:24
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