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秦基博 不思議な縁で10年の仲「ギブソンJ-45」

6/30(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 『ひまわりの約束』などのヒット曲で知られ、包み込むような柔らかな歌声と心に優しく寄り添う言葉で歌いかけるシンガーソングライター、秦基博さん。「コレクション癖もないし、買い物は『できるだけ手短に済ませよう』と思っている」という秦さんが持ってきてくれたモノは、デビュー直前に出合った大切な「相棒」だった。

■デビュー直前、事務所にお金を借りて購入

 「このギブソンJ-45は、デビューする直前の2006年に『プロユースのギターが欲しい』と事務所にお金を借りて、購入しました。うちは買ってくれるんじゃなくて、お金を貸してくれるんですよ(笑)。年式は1966年のものです。

 東京・御茶ノ水の楽器店街で何軒もお店を回って、ようやく見つけたのですが、手にした時に『これかな』という不思議な感覚というか縁を感じました。

 そもそもJ-45に絞って探していたわけではなく、いろいろなギターを見ていた中でこのJ-45に出合ったんです。はじめはルックスの良さに引かれました。ボディーの色味(チェリーサンバースト)と赤いべっ甲のピックガードの組み合わせを僕はあまり見たことがなかったですから。最初にパッと見たとき、それがJ-45ということも知りませんでした。

 J-45を買う前は、同じギブソン社製のJ-160Eという、ジョン・レノンが弾いていて有名なギターを使っていました。そういえば、これも20歳の頃に親からお金を借りて買ったっけ(笑)」

■音楽以外の趣味なし。買うのも音楽関連ばかり

 アーティストの中にはコレククターのように多くのギターを集める人もいるが、秦さんとギターとの付き合い方は異なるという。

 「僕がギターを手にいれる理由は、『実用性』です。

 デビューしてしばらくは、サザンジャンボ(ギブソン社)やマーティン社のギターなどを集めた時期もあります。でも、それもコレクションのためじゃなく、音の探求やライブ演奏に必要だったから。表現するステージが自宅からライブハウス、そしてアマチュアからプロへと変わっていく段階で必要なギターを手に入れてきたんです。

 J-160Eもライブハウスで演奏するようになって、お店の人から『今のギターは音が弱いから、新調した方がいいよ』と勧められたのがきっかけでした。それまでは、兄が友達から3000円で譲り受けたモーリスにピックアップをつけて演奏していましたから(笑)。

 兄は長渕剛さんが好きで、僕も一緒に聴いていたし自分で初めて弾けるようになったのも長渕さんの『しゃぼん玉』でした。そうやって4つくらいコードを覚えて、すぐにオリジナル曲も作るようになりました。小学6年生か中学1年生だったと思います。

 僕の兄弟はちょっと面白くて、誰のものでも当人が使っていなければ自由に使える雰囲気なんです。だから、モーリスも兄のモノだけれど、むしろ僕がよく弾いていました。今思うと多感な時期だし、自分のギターを弟が触るのを嫌がるのが普通だと思うんですが」

 当人が使っていなければ自由に使える──そんな兄弟関係で育ったせいか、音楽関係以外のモノに対する関心は薄いという。

 「いくら考えてみても、小さい頃に『ドラゴンボール』のカードを集めたくらいでコレクション癖もないし、服にしても『季節が変わって必要だから買う』という感覚なんです。サイズが合うかどうかを確認したいので実際に店に出向きますが、買い物は『できるだけ手短に済ませよう』と思っています(笑)。

 最近買ったモノといえば、手動のマッサージ器具。歌っていると首や肩がこるのでネットで購入したんですが、想像以上にグリップ力が強くてちょっとマッサージしただけでも痛いくらいでした(笑)。こういうものを買うのは珍しくて、ネットショッピングでいつも買うのはCDやライブDVDなど、音楽に関連したものばかり。何よりも好きだった音楽が仕事になってからは、本当に他に趣味がないんです(笑)。

 機材も、品番などがあらかじめ分かっているシールドやチューナーなどはネットで買いますね。そういえば、チューナーは余計に買う傾向があるかもしれない。新しいものを見かけて、『こっちはカラーで光るんだ!』とか新機能が付いていたりするとついテンションが上がって買ってしまう(笑)。どんどん増えていくので、20本ほどあるギター1つに1つのチューナーをあてがうみたいな状態になっていますね」

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最終更新:6/30(金) 7:47
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