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IBM「ワトソン」が広げる スポーツ観戦の楽しみ方

6/30(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 テニスのウィンブルドン選手権やゴルフのマスターズ・トーナメントなど、スポーツのビッグイベントでIBMのロゴを目にしたことがある人は多いだろう。米IBMは20年以上の長きにわたってスポーツイベントに協賛するだけでなく、IBMスポーツの名の下に、大会を支える数々のテクノロジーを提供してきた。そんな同社が日本でも、人工知能(AI)の一種である「ワトソン」[注]を活用したスポーツビジネスを展開しようとしている。日本アイ・ビー・エム GBS事業本部コグニティブビジネス推進室コグニティブエクスペリエンスプロデューサーの岡田明氏に、IBMスポーツの世界動向や事例、日本での取り組みについて聞いた。
 ――なぜ、IBMは以前からスポーツビジネスに積極的に関与しているのですか。
 「『スポーツを文化として醸成したい』という基本スタンスを持っているからです。ウィンブルドン選手権へのスポンサーシップは24年程度続けており、それがグランドスラム(テニスの四大大会)に広がっています。マスターズとも20年以上の付き合いがあります。さらにIBMはテクノロジーカンパニーなので、協賛にとどまらず、観戦をより楽しくしたり、選手やチームを強化したりするためのテクノロジーを同時に提供しています」

■SNSからファンの見たい映像察知

 ――IBMにはIBMスポーツという専門組織があるのですか。
 「いえ、専門組織があるわけではなく、イベントに応じてさまざまな組織が連携して活動します。顧客体験をつくっているメインの部隊は『インタラクティブ・エクスペリエンス(IX)』という世界で1万人規模の組織です。ここが顧客体験をデザインし、クラウドやアナリティクスなどのチームが参加してテクノロジーを実装します」
 「例えば、テニスのグランドスラムで提供している『スラムトラッカー』というライブのスコアボードがあります。主体はIXのチームですが、アナリティクスのチームが連携して運営しています。スラムトラッカーにはグランドスラムの過去のデータが集約されており、スコアがライブで表示されるだけでなく、試合のデータや分析、さらに専門アナリストが特定の選手が勝つために必要な要素をここで指摘します。スラムトラッカーにはグローバルで統一のフォーマットがあり、それをインフラとして世界各地で使っています」
 ――IBMスポーツのポリシーはどのようなものですか。
 「柱が3つあります。まずファンのエンゲージメント(ブランドへの愛着心)をどうつくり上げるか。2つ目に、チームのパフォーマンスをどう強化するか。最後が、スタジアムなどの会場(ベニュー)をどのように最適化するか。これらを『三位一体』でお手伝いします」
 ――ここ数年、海外ではワトソンを活用したIBMスポーツの事例が増えていますね。
 「一例として、IBMが2016年のウィンブルドン選手権や17年1月の全豪オープンテニスで運営した『コグニティブ・ソーシャル・コマンド・センター』があります。ここでは、大会期間中に交流サイト(SNS)などインターネット上でファンが発している言葉などをワトソンがクロール(自動巡回)・解析し、それを同センターに通知。会場のチケット売り場のサイネージに、販促につながる言葉を表示するといった取り組みをしました。さらにインターネット上でファンがどのようなコンテンツを欲しているかをワトソンが解析して配信しました」
 「例えば、SNS上で『ロジャー・フェデラー選手がすごい』『彼のプレーを見たい』といった多くの発言があったら、ワトソンが『今、世の中でフェデラー選手が熱い』と判断。これを受けて、会場のチケットセンターに置かれたサイネージには『ゴー ロジャー!』と表示し、観客に『明日フェデラー選手が登場するので来てね』と再訪を促したりすることができます」
 「また、SNS上に『かつてフェデラー選手がウィンブルドンを5連覇したときの映像を見たい』などという書き込みがあったら、その内容をワトソンが理解して通知。グローバルのウェブサイトを管轄しているチームが、当該の映像を引っ張ってきて一斉に配信する、ということをやったりしています」

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最終更新:6/30(金) 7:47
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