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医薬品 利益追求の一方で「飲み合わせ」の注意喚起は蔑ろに

6/30(金) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 歳を重ねるほど、どうしても薬を飲む機会も、その種類も増えていく。そうした日常生活に潜むリスクが「飲み合わせ」だ。飲み合わせにより薬の作用が増強したり減弱することは「相互作用」と呼ばれ、医薬品の「添付文書」に書き示されている。場合によっては、脳出血に繋がったり、気管支が過度に拡張されたりするケースもある。

 また、薬と「食品」や「飲み物」の組み合わせについても、注意が必要だ。たとえば代表的な生活習慣病である糖尿病は血糖値を下げる治療薬が一般的だが、インスリンの分泌を促す働きのあるゴーヤと組み合わせると作用が増強されて血糖値が下がりすぎる怖れがある。

 また糖尿病治療薬の「αグルコシダーゼ阻害薬」と虫歯になりにくい特定保健用食品のキシリトールを併用すると軟便や下痢が発生する可能性がある。

 うつ病で処方される『フルボキサミン』系の抗うつ薬は飲み物に注意したい。薬剤師の堀美智子氏がいう。

「フルボキサミンがコーヒーや緑茶に含まれるカフェインの代謝を阻害して、カフェインの血中濃度が上がって不眠になったり不安感を高めることがある。最近流行しているエナジードリンクにはカフェインが大量に含まれているので併せて注意すべきです」

 これほどの多岐にわたる飲み合わせリスクから浮かび上がってくるのは、注意喚起が十分に行きわたらない、医療界の構図だ。国際医療福祉大学大学院の武藤正樹・教授がいう。

「医師や製薬会社からすれば、たくさん薬を処方したほうが、それだけ儲けが大きくなる。多科受診、多剤併用が増えてしまっていることには、そうした背景もあります。

 もともと医療用医薬品だったスイッチOTC(一般用医薬品)など、患者さんが店頭で買える薬が増えている以上、これまで以上に広範な飲み合わせリスクへの注意喚起を業界をあげてしていくべきです」

 利益追求は進められている一方、注意喚起はないがしろにされているのだ。結果として、リスクを避けるには患者が「自衛」するしかない。

「普段から自分の飲んでいる薬は市販薬も含めてお薬手帳で一元的に管理しておき、受診した際に医師に伝える。市販薬を買う場合はかかりつけの薬局をつくっておき、その都度薬剤師に相談すべきです」(堀氏)

※週刊ポスト2017年7月7日号