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【よくわかる講座:コンプライアンス・企業倫理】コンプライアンスの実務(3)運用・ノウハウ

6/30(金) 7:30配信

日本の人事部

(1)コンプライアンス文書の作成

●事実と推測を明確に分け、説明責任を果たせるよう万全の裏付けを確認しておく

社内で作成するコンプライアンス文書(電子データ)には、以下の四つの機能(役割)が備わっている。また、コンプライアンス経営の見地からも、正しい文書を作成するために、「目的を明確にする」「結論を先に書く」「結論に必要な事実と理由を書く」「日付と作成者を明確にしておく」といった点に留意する必要がある。また、事実と推測を混在させないこと、情報の出所を明確にすることも忘れてはならない。

虚偽の記載や偽装データの記録は、不正の動かぬ証拠として取り返しのつかない自体を招く危険性がある。文書作成責任者は、その内容に関して十分な説明責任を果たせるよう、万全の裏付けを確認しておく必要がある。

【コンプライアンス文書の機能(役割)】
<違法行為防止機能>
正確な文書を作成することによって証拠が残り、違法行為に対する抑制が期待できる。

<チェック機能>
後に事実関係を確認するために文書を作成する意味がある。そのためにも、正しい文書管理が必要となる。

<効率性担保機能>
口頭に比べ、文書の方が短く効率的に進めることができる。また、何度でも読むことができ、確認することができる。

<証拠機能>
後になって収集される供述証拠に比べ、記録としてタイムリーに作成された文書は証拠としての価値が高い。

(2)文書・データの情報管理

●管理ミスが、企業にとって致命的なダメージを受ける

コンプライアンスにかかわる文書・データは厳重に管理されなければならない。会社法施行規則でも、内部統制システムの一環として、取締役などの職務の執行にかかわる情報の保存および管理に関する体制や損失の危機に関する規程、その他の体制を構築することが求められている。具体的には、文書管理規程などの社内規程を策定・改善し、営業秘密などの管理を徹底し、適切な文書などの情報管理を行うことが不可欠である。

流出を防ぐとともに、利用しやすい形で管理するために、文書・データの管理規程を作成する際は、以下のような点がポイントとなる。


【文書・データ管理規程作成のポイント】
<文書・データの分類・整理>
文書・データを管理するための「分類基準」を策定し、統一的なルールを採用する。文書の原本と写しを区別し、写しがない場合には原本はどこにあるのかなどを明らかにしておく。

<作成者と保管者の分離>
文書・データの改ざんを防止するため、作成者と保管者は別にする。また、閲覧をすることを可能にしたい場合、閲覧者を記録するシステムを導入する。なお、機密文書である場合には、閲覧資格を有する者にしか閲覧できないようにする。

<保存・管理の電子化>
ITを活用し、膨大な文書・データを検索しやすいように整理し、保存・管理の電子化を進める。

重要事項を記載した文書・データは、さまざまな者からのターゲットとなる。文書の下書きなどが、ゴミ箱に何気なく捨てられているようなことがあってはならないのだ。そのため、シュレッダーは不可欠である。さらに、サイバー攻撃などのリスクも避けられない。事業の状況に応じたセキュリティー対策に、コストは惜しむべきではない。

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最終更新:6/30(金) 7:30
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