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新種インコを発見、鳴き声はタカ似、残り100羽ほどか

6/30(金) 7:20配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

きわめて珍しい野生からの発見、新種とするには慎重な意見も

 この数十年、希少な種を見つけようとしてユカタン半島を歩き回った鳥好きは数え切れないほどいる。それでも、探索の目を逃れてきた種がいたらしいことがわかった。しかも、その鳥は派手な色と大きな声を持っていた。

【音声】タカに似た新種インコの鳴き声(ページ中ほど)

 6月27日付けの学術誌「PeerJ」に発表された新種は、色とりどりの体とタカのような鳴き声を持つオウム目ボウシインコ属のAmazona gomezgarzaiだ。英語で「ブルー・ウイングド・アマゾン」と名付けられたこの鳥は、数年前まで科学者たちに全く知られていなかった。

 そのため、発見までの過程も変わっている。近年命名されたオウムの新種は、亜種とされてきたものが後に独立の種に格上げされるパターンが多かった。たいていはDNA分析の結果だ。

「今回の発見は、まぎれもなく鳥類学がまだ発見の時代にある証です」。メキシコ、ヌエボレオン州立大学のミゲル・ゴメス・ガルサ氏は話す。ガルサ氏はメキシコの公的機関が没収した野生生物の世話を担当する獣医で、2014年に新種のオウムを初めて目にした人物だ。「今後も注意深く観察していく必要があります」

 だがその一方で、ブルーウイングを新種とすることに慎重な専門家もいる。

「タカを捕まえたのかい?」

 ガルサ氏が珍しい鳴き声を耳にしたのは、ユカタン半島の森を調査しているときだった。声を発していたのはインコの一群だった。街にいるハトくらいの大きさで、翼を広げると目立つ鮮やかな青い風切羽と、燃えるように赤い額が、ほかの既知の種とは違っていた。

 メキシコ当局の助力で、ガルサ氏はこの鳥のオスとメスを1羽ずつ捕獲し、自宅にある広い飼育場に放した。次いで、米フロリダ州にいる在野の鳥類専門家で、後に論文の共著者となるトニー・シルバ氏に電話した。

「電話越しに初めて鳴き声を聞いて、『タカを捕まえたのかい?』と尋ねました」と、シルバ氏は振り返る。ほかのインコと違い、この“ブルーウイング”は猛禽類のように鋭い音を繰り返す鳴き声をしていたのだ。

 うるさいほどの声は、彼らの活発な性質によく合っているように見える。ガルサ氏が見つけた鳥について、シルバ氏は「高い所に登り、物をかみ砕き、羽をつくろい、互いに引っ張りっこもします」と話す。「実に活動的なのです」

 同じ地域にはキバナボウシインコ(Amazona xantholora)という別のボウシインコがいるが、ブルーウイングに比べると声は小さく、行動も落ち着いている。

 捕獲した2羽の特徴的な行動、外見、そしてDNAから、研究チームはこれを新種と発表。ガルサ氏に敬意を表して、学名をAmazona gomezgarzaiと付けた。

 DNA分析から、新種のインコが進化したのはわずか12万年前であることも示された。おそらく、気候変動によって新しい生息地ができた結果ではないかと研究チームは話している。

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