ここから本文です

フランクフルト移籍の鳥栖・鎌田大地は「バックミラー」が付いている

6/30(金) 8:00配信

webスポルティーバ

 6月25日、ベストアメニティスタジアム。サガン鳥栖の鎌田大地は、ドイツの名門フランクフルト移籍の壮行セレモニーが終わった後、ミックスゾーンに現れている。20歳のMFは、訥々(とつとつ)とその意志を語った。

【写真】サガン鳥栖の選手、いきつけの店で…

「(海外では)一からのポジション争いになりますが、そこで試合に出続けられるようになったら、A代表や来年のワールドカップも見えてくる。自分はうまくいかない、苦しい時期があった選手で、それを乗り越えて今の自分がある。小中高と挫折してきたが、それに負けずにきた」

 20歳の日本人選手が、欧州4大リーグ(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア)に羽ばたくというのは、昨今、日本人の欧州挑戦が苦戦を余儀なくされる中、明るいニュースと言えるだろう。

 では、鎌田はドイツで活躍できるのか?

「4大リーグのクラブでプレーするクオリティを(鎌田)大地は持っている」

 鳥栖を率いるマッシモ・フィッカデンティ監督は所見を述べている。

「キャラクターとしても冷静というか。あがったり、びびったりしない。(プレーする)場所を変えても問題はないだろう。今日のように集中し、欲張らず、しっかりと走れたら、ヨーロッパでもやれるはずだ」

 イタリア人指揮官はそう言って、太鼓判を押した。

 この日の浦和レッズ戦でも、鎌田は前半にダイレクトで背後に走るビクトル・イバルボにスルーパスを出し、決定機を作っている。簡単に見えるが、容易(たやす)いプレーではない。

 鎌田の才能は、スペイン語で言うRETROVISAR(バックミラー)にあるだろう。背後を含め、視界が人並みはずれて広い。それによって空いたコース、スペースを見つけられる。そこにボールを運ぶ、入れる、という高い技術も目を見張るが、ビジョンこそ彼の異能と言えるだろう。

 そして、ビジョンによって相手の裏を取れる。

「めっちゃ速く感じる」と、対峙した選手は洩らす。どこで止まって、どこで加速するかを心得ているだけに、敵に想像以上のスピード感を与える。キックフェイントひとつをとっても、ピタリと足を止め、逆をついて運べるため、歩いているように見えるのに、不思議と相手を置き去りにできる。わずかなボールの置きどころの違いで、狡猾に相手の重心を動かすのだ。

 自らタイミングを作れる選手で、それは「時間を操る」に近い。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか