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【SB】故障者続出も首位に肉薄。強さ生む充実のベンチ、チーム内競争もより熾烈に

6/30(金) 11:01配信

ベースボールチャンネル

 パ・リーグ2位につける福岡ソフトバンクホークス。開幕から主力が立て続けに故障するも、交流戦は3年連続で頂点に立ち、選手層の厚さを見せつけた。リーグ戦が再開し、首位・東北楽天ゴールデンイーグルスとのゲーム差は0.5(29日現在)に迫ってきた。波に乗るチームには、内川聖一とデスパイネの主軸が復帰。レギュラー争いはますます加熱しそうだ。

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■故障者続出でも負けこまない戦力

 今年も最高勝率で交流戦を終えたソフトバンク。最終戦で広島に勝利して勝ち越したことにより、12勝6敗、勝率.667で三連覇を成し遂げた。リーグ戦が再開し、最初のカードとなった西武戦は2勝1敗と勝ち越し。首位を走る楽天の背中を追っている。2位につけているとは言え、開幕当初の盤石な体制で戦ってきたわけではない。

開幕オーダーを振り返ってみよう。
1(遊)今宮
2(二)本多
3(中)柳田
4(一)内川
5(指)デスパイネ
6(左)中村晃
7(三)松田
8(捕)高谷
9(右)上林
先発ローテ:和田、中田、東浜、千賀、武田、バンデンハーク

 今季は3年ぶりに開幕3連勝と好スタートを切った。しかし、4月中旬には和田毅、武田翔太が故障により戦線離脱。6月には千賀滉大も抹消され先発ローテが崩れた。さらには内川聖一、デスパイネと主軸も故障を訴え、正捕手としてマスクを被ってきた高谷裕亮は右手中指を骨折してリハビリ組に合流した。ここまで主力選手を欠きながらの交流戦1位、負けこむことのない戦力に改めて驚かされる。

■伏兵と呼ぶにはもったいない2軍選手

 6月25日の西武戦では以下のようなスターティングメンバーが組まれた。開幕時とはガラリと変わっている。
1(二)川崎
2(遊)今宮
3(中)柳田
4(指)長谷川
5(左)中村晃
6(三)松田
7(右)上林
8(捕)甲斐
9(一)高田
先発:バンデンハーク

 この日は今季3試合目となるスタメンを勝ち取った高田知季が2打席連続のタイムリーを放ち、途中出場の福田秀平がプロ初となるサヨナラホームランを放って逆転勝ちを収めた。これまで出場機会の少なかった選手たちが、見事に起用に応えてみせたのだ。

 ソフトバンクの強さはここにある。伏兵と呼ぶにはもったいない選手がベンチに、そして2軍に控えている。あとは少ないチャンスをものにできるかどうか。


■主力復帰で激化するレギュラー争い
 
 6月27日の日本ハム戦から内川、デスパイネがスタメンに名を連ねた。まだ100パーセントの状態とは言えないながらも、本人の希望もあって復帰が決まった。藤本博史打撃コーチは「練習だけでは調子の良し悪しはわからない。試合感覚を取り戻すためには打席に立ってみないと」と話す。

 チームの元気印・松田宣浩は「内川さんやデスパイネが戻ってきたことは大きい。でも、いない間に他の選手が頑張ってきた。これはチームにとってプラスでしかない」と言う。確かに戦力にこれだけの厚みがあることを再確認できたのだから、マイナス要素はない。

 ただ、ケガ人続出の中、チャンスを掴もうと必死にアピールしてきた選手のことを考えると複雑である。結果がすべての厳しい世界とは言え、これまでの実績を無視した起用はしづらい。実際に工藤公康監督は、実績ある選手は同じスタートラインではないと明言している。それだけレギュラーの座を奪うのは厳しいことなのだ。

 自らの努力でそのポジションを手にしたのが捕手の甲斐拓也だ。開幕当初は東浜巨、千賀の先発時にのみスタメンマスクを被っていた。しかし今では、投手に関わらず出場を続け、高谷を抜いて最も多くマスクを被っている。

 高谷の抹消により、プロ初昇格を果たした3年目の栗原陵矢はこう話す。
「自力で掴んだ昇格とは言えないけど、1軍に上がったからにはたくさんのことを吸収して、アピールして、爪痕を残さないと。高谷さんが治ったからと言って、ただでは落ちないようにしたい」

 143試合を戦う中で、故障もあれば不調による入れ替えもあるだろう。そんなときこそどれだけ力を発揮できるか。選手個人としてもチームとしても、これから迎える夏場の戦いが勝負どころとなる。


古江美奈子

ベースボールチャンネル編集部