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ジュニア準優勝から10年。土居美咲が思い出のウインブルドンを語る

6/30(金) 11:44配信

webスポルティーバ

 ウインブルドン開幕を数日後に控えたある日……。会場近くのレストランで『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者と食事をしていたとき、偶然、土居美咲に遭遇した。髪をおろし、私服に身を包んだ彼女はあまりに”普通の女の子”の佇(たたず)まいだが、『ニューヨーク・タイムズ』の記者氏は土居の姿をすばやく認める。

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「彼女の攻撃的なテニス、好きなんだよね。特に2年前の全仏オープンのアナ・イバノビッチ(セルビア/元世界1位。土居との対戦時は7位)との試合はすごく面白かった」

 記者氏はそう述懐すると、159cmの土居がいかに小柄な身体でパワフルなショットを放ち、多くのウイナーを決めたかを熱っぽく語り始めた。

 勝敗やランキングにかかわらず、見る者に心地よい興奮と鮮烈な印象を残す――。それが、土居美咲のテニスだ。

 ただ、爽快にして豪快なプレースタイルは、ミスのリスクと表裏でもある。今季は開幕から「感覚がよくない」状態に悩まされ、勝ち星に見放される時期が続いた。そのスランプから抜け出し、5月上旬には世界10位のマディソン・キーズ(アメリカ)を破るなど快進撃の兆しも見せたが、その矢先に腹筋を痛めてしまう。迎えた5月末の全仏オープンでは、ケガに阻まれ力を出しきれず、初戦敗退後には悔し涙を流しもした。

 それでも、テニスの調子が上向いているとの手応えからか、あるいはツアー生活も10年目に差しかかった経験ゆえか、「大好き」なウインブルドンに戻ってきた彼女の表情は柔らかい。昨年はベスト16に勝ち上がった”聖地”に向かう心境を、日本女子テニスのエースに聞いた。

―― 全仏で痛めていた腹筋の状態はいかがですか?

土居美咲(以下:土居) 今はほとんど大丈夫です。本当は芝コートの前哨戦に出たかったんですが、まだ完璧ではなかったのと、腹筋は同じ場所を痛めることが多いと言われたので、しっかりと休み準備してきました。

―― そしていよいよウインブルドン。土居さんがもっとも得意なメジャー大会だと思いますが、同時に昨年活躍した分、負けられないというプレッシャーもありますか?

土居 正直、どれだけのプレーができるかわからない部分もあるので、結果に固執するよりは、どれだけコート上で自分のプレーができるかを考えています。それでうまくいったらいいし、ダメだったらダメと割り切るしかないです。

 テニスは年間通してそういう生活なので、いちいち気にしていたら大変ですから。気にせずやったほうが、いいプレーができると思います。

―― そのような割り切り方ができるようになったのは、いつごろから?

土居 う~ん……常にそういう考え方を心がけてはいました。もちろん、目先の結果を気にしたり、ランキングポイントを追ってしまうこともありますが、それをどれだけ自分の頭から消せるかが大切。いつからというより、徐々に……という感じです。

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