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グリエーズマンはなぜゴールを奪える? 傑出した「トータルなスピード」が鍵だ!

6/30(金) 17:47配信

SOCCER DIGEST Web

「認知、決断、実行」の3ステップを素早く実行する。

 フットボールにおけるスピードとは、単純な「足の速さ」を意味するだけではない。
 
 もちろん足の速さは現代フットボールにおける重要要素ではあるが、その武器を正しく使えなければ、トップレベルには辿り着けない。
 
 敵味方の配置や個々のプレー意図、スペースの所在といった周囲の状況を正確に認知し、その状況下におけるベストのプレーを選び決断したうえで、イメージしたプレーを実行に移す――。
 
 フットボールとはこの「認知、決断、実行」の3ステップを秒刻みで繰り返していくスポーツであり、これを正確に、かつ周囲より「素早く」体現できる選手こそが、ワールドクラスと定義される。
 
 その意味でアトレティコ・マドリーに所属するフランス代表FWのアントワーヌ・グリエーズマンは、モダンフットボールに必要とされる「トータルな意味でのスピード」を有する、超一流のアタッカーである。
 
 レフティー特有の足に吸い付くような柔らかいタッチでボールを支配下に置きながら、鋭い切り返しと軽やかな身のこなしで敵DFのアプローチをかわしつつ、クロスボールやスルーパス、ワンツーでの崩し、長短のシュートといった豊富な選択肢を駆使して敵ゴールに迫る。
 
 グリエーズマンの一番のストロングポイントは、こうした幅広いプレーを、快速を活かして疾走しながら正確に実行できる部分にある。
 
 普通、プレースピードを上げれば上げるほどボールコントロールの精度は落ち、ミスが多くなるものだ。それは単純な技術的問題に加え、「認知、決断」のスピードが「実行」すべきタイミングに追いつかなくなることも一因となっている。
 
 しかし、グリエーズマンの持つ「トータルなスピード」は、そのセオリーを超越したレベルにある。周囲の状況を正確に把握し、ベストのプレーを瞬時に選択できる頭の回転の速さに加え、トップスピードで走りながらでもボール扱いが全くブレない卓越したテクニックを持ち合わせているからだ。
 
 2列目からゴール前のスペースに素早く走りこみ、勢いそのままにラストパスをダイレクトで捉える十八番のフィニッシュの形は、それらの能力が凝縮されたプレーだと言える。
 
 後方からスピードに乗って走りこむことでマークを振りほどき、少々ゴールから離れた位置からでも狙いすましたコースに勢いよくシュートを打ち込むことで、相手GKにリアクションを起こす余裕を与えない。

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最終更新:7/19(水) 9:36
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