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大戸屋創業家が会社提案に「反対」したワケ

6/30(金) 4:40配信

東洋経済オンライン

 「大戸屋ごはん処」を運営する大戸屋ホールディングスは6月28日、新宿のハイアットリージェンシー東京で定時株主総会を開いた。

【写真】大戸屋が総会で使う新宿のハイアットは、創業家の三森久実夫妻が結婚式を挙げた場所

 2016年5月に現経営陣と創業家の対立が表面化してから、両者が直接顔をつきあわせる2回目となった今回の総会。昨年は取締役の人事案をめぐる対立が中心だった。

■功労金、弔慰金の支給が争点に

 今年に入り、前会長の故・三森久実氏の息子・智仁氏が取締役復帰を断念したこともあり、争点が功労金に移っていた。

 功労金は、久実氏が保有していた株に巨額の相続税が発生することを懸念し、同氏の生前から検討されていた案件だ。

 今回の総会で会社が上程している議案は4つ。1つ目は取締役10名選任、2つ目は弔慰金贈呈、3つ目は創業者功労金贈呈、4つ目はストックオプションとして新株予約権の発行だ。

 2番目、3番目の議案については、会社側は創業家に相談することなく、5月上旬に議案として決定。内容は久実氏の遺族に対し、創業者功労金2億円と、弔慰金1000万円を贈呈するというもの。

 現在、創業家側は故・久実会長の妻である三枝子氏が13.14%を、息子の智仁氏が5.63%、合計2割弱の株式を保有する。「三森家」という影響力もあるため、この議案が可決されるのか、そして創業家がどういった反応をするのか、注目が集まっていた。

 当日は業績説明のあとに続いて行われた、株主からの質疑応答で、ある年配の女性株主は「2000万円や5000万円なら仕方ないが、2億円は多いのではないか。この規模の会社では屋台骨が揺らぐ。創業家とトラブルがあったので、口封じのため渡すのではないかと悪く解釈してしまう」と疑問を呈した。

 これに対して、窪田健一社長は「他社事例、当社の財務状況、複数の税理士法人からの税務上の観点から総合的に判断した。創業家と交渉はしていない。あくまでも三森前会長に対する役職員一同の思いを形にしたもの」と回答している。

 ほかにも株主からは、昨年選任した役員11人のうち、2人が3カ月も持たずに退任したことを指摘。窪田社長は「退任した役員は一身上の都合と聞いている」と説明するにとどめた。

■創業家の反対でストックオプションは否決

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