ここから本文です

3大キャリアの決算数字から読み解くケータイ業界のこれから

7/1(土) 8:11配信

@DIME

 ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク。ケータイ大手3キャリアの決算発表が行われたが、各社とも2016年度の成績は上々だった。

文具に雑貨、食品まで!ふらっと立ち寄れる場所を目指すauの直営店戦略

 はたして2017年度はどうなるだろうか? 数字からわかるケータイ業界のこれからを、探ってみた。

■携帯電話事業者3社とも増収増益

 ドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話事業者3社の2016年3月期 通期決算が出揃った。

 ドコモの営業収益は前年度比1.3%増の4兆5846億円、営業利益は20.7%増の9447億円となり、増収増益を果たした。

 KDDIの連結売上高は、前期比6.3%増の4兆7483億円、連結営業利益は前期比9.7%増の9130億円で、増収増益となった。

 ソフトバンクグループの売上高は8兆9010億400万円、営業利益は1兆259億9900万円、純利益は1兆4263億3000万円となり、純利益が1兆円の大台を突破した。

 3社とも増収増益をはたし、好調を維持しているが、携帯電話回線の契約者純増数の伸びは鈍化している。ドコモの純増数391.6万はドコモ回線を利用するMVNOの増加分が入ったもの。KDDIの「モバイルID数」はau契約者数とMVNO契約者数を合わせた数値で、MVNO契約者数が大幅に増加したことで増加に転じた。KDDIの田中社長も「MNO間のユーザーの流動はほぼ止まった」という認識で、「MVNOベースでの拡大を狙う」と明言している。ソフトバンクの純増は、サブブランドのY!mobileが支えた形だ。

 大幅な契約者数増加が望めない状況で、各社が取り組んでいくといしているのが、既存ユーザーへの優遇や通信以外のサービスの拡大だ。ドコモが決算と同じタイミングで発表した、基本使用料が月額980円の「シンプルプラン」は、家族以外とほとんど通話をしないユーザーの要望に応えたものだという。また、5月10日にドコモポイントをdポイントへ自動的に移行。従来、dポイントはドコモの携帯電話利用料金に3000ポイント以上100ポイント単位で利用できたが、6月1日以降は、1ポイント以上1ポイント単位で利用できるようになった。

 KDDIはau STARに関する取り組みを強化して、2017年度は250億円をリテンション(既存顧客維持)に活用する。また、引き続き通信以外の分野、オンラインコンテンツやコマース、保険や損保とったライフデザイン事業に注力し、さまざまなパートナーとの提携や出資により新たなノウハウやユーザー基盤を獲得したいとしている。

 ソフトバンクは、「光ファイバーのバンドルによる1ユーザーあたりの売上を増やす。コンテンツやサービスでトータルに増やしていく」(ソフトバンクグループ 孫社長)ほか、Yahoo! JAPANとの連携も強化。6月1日からソフトバンクユーザーは「Yahoo!プレミアム」の特典が無料で使えるようになった。

■決算以外の発表にも注目が集まる

 決算以外の発表も注目された。ドコモは2017年度からの新たな中期戦略2020「beyond宣言」を策定。5G時代に向けた6つの宣言を明らかにした。

 beyond宣言はユーザー向けの3つの宣言、「マーケットリーダー宣言」「スタイル革新宣言」「安心快適サポート宣言」と、パートナー向けの3つの宣言、「産業創出宣言」「ソリューション協創宣言」「パートナー商流拡大宣言」からなる。前述のシンプルプランと、30GBを家族でシェアできる「ウルトラシェアパック30」の新設はマーケットリーダー宣言の第一弾として出されたものだ。

 スタイル革新宣言は、5Gの特徴を活かしたVRやAI、IoTなどのサービスを提供していくこと。安心快適サポート宣言は、ユーザーサポートの充実だ。また、パートナー向けの3つの宣言では、パートナーとともに新たなビジネス創出や社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

 ソフトバンクグループの決算発表では、先日、設立についての報道発表があった投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について説明。10兆円規模の資金を活用して「真のゴールドラッシュに向かう」と意気込んだ。また、買収したアメリカの携帯電話会社Sprintについては、経営が改善し「Sprintが成長エンジンになる」とアピール。一時は頓挫していたアメリカの通信業界再編へ再び挑戦する意欲を示した。

 各社2016年度は好調な数字で終えることできた。しかし、スマホなど端末のコモディティ化(一般化)が進み、契約者の大幅な変動も見られなくなった今、新たなサービスによる打開が必要となってくる。

 また、MVNOなど本体ブランド以外の身の振り方も、各社の業績へ大きく影響を及ぼす可能性がある。

 その中でソフトバンクは海外投資の成否がカギを握りそう。決して順調とはいえない状況だけに、今後に注目が集まる。

 2016年度の成績は全社が○(まる)と呼べる数字だった。2017年度はどうなるのか、注意して見守る必要がありそうだ。

取材・文/房野麻子

@DIME編集部

最終更新:7/1(土) 8:11
@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2017年10月号
8月16日発売

定価600円

売り切れ御免!調理家電&ヒット食品
ふるさと納税 極ウマ返礼品・ベスト47
ホリエモン流 超仕事術公開
タイプ別 痩せるカラダマネジメント