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変幻自在のチリ、“2軍”も強さ顕在のドイツ。コンフェデ杯決勝、好ゲームの予感【西部の目】

7/1(土) 10:02配信

フットボールチャンネル

 現地時間7月2日に決勝戦を迎えるFIFAコンフェデレーションズカップ・ロシア2017。2018年のW杯ホスト国で開催されている各国大陸王者とW杯王者による前哨戦は、チリとドイツのファイナルで幕を閉じることになる。南米王者とW杯優勝国の一戦はどのような展開となるのだろうか。好ゲームへの期待は高まるばかりだ。(文:西部謙司)

●ブラーボの3連続PKストップ

 コンフェデレーションズカップのファイナルはチリ対ドイツに決まった。

 準決勝でポルトガルと対戦したチリは120分間の激闘の末0-0、PK戦を3-0で制した。GKブラーボは3本連続のPKストップ。2本は右へ跳んで阻止、1本は左である。最初の2本で、ブラーボはいずれも自分の左側にステップしてキッカーに自分の右側へ蹴らせていた。

 小さく左へステップして体も傾け、キッカーにそれを見せて(GKの)右側を狙わせた。ブラーボは左への体重移動から右へ跳ぶ際に、右足を左斜め前にクロスさせて踏み込み、その右足を軸にして右へ跳んでいる。

 右足を左側に踏み込んでいるので、右斜め前へ踏み込むのと比べると一歩ぶんはロスしているわけだが、クアレスマもモウチーニョもシュートのコースが甘かったので十分届いている。

 3人目のナニのときも左に体を傾けているが、ナニのモーションを見てそのまま左へ跳んで難なくストップした。ブラーボの読みと駆け引き、柔らかい動きがポルトガルのPKキッカー3人を圧倒した。

 0-0ながら白熱したゲーム。序盤から両チームに決定的なチャンスがあった。まず、チリのバルガスがサンチェスのスルーパスで抜け出してGKルイ・パトリシオと1対1、バルガスはGKの股下を狙ったがルイ・パトリシオは太ももで止めた。

 ポルトガルのほうもロナウドの絶妙のアーリークロスをファーサイドに走り込んだアンドレ・シルバがシュート、こちらも股下狙いだったがGKブラーボがブロックしている。

 至近距離からのシュートではGKの股下がよく狙われる。序盤の2つの決定機がそうだったのだが、いずれもGKの姿勢は低く、ボールが通り抜ける空間などなかった。GKのレベルの高さがうかがえるシーンだった。

●“2軍”のドイツ、楽々と決勝進出

 もう1つのカード、ドイツ対メキシコは4-1でドイツの圧勝だった。今回のドイツは主力をほとんど招集していない、いわば「2軍」である。それでも余裕を持って難敵メキシコを下している。

 昨年のコパアメリカ・センテナリオでは史上最強とまでいわれていたメキシコだが、準々決勝ではチリに0-7で大敗している。今回もドイツに完敗。優れたテクニックとパスワーク、前線からのプレッシングは健在ながら、フィジカル面で強力な相手には分が悪いようだ。

 ドイツは3-4-2-1のシステム、守備時には5-4-1のブロック。日本のJ2でよくある形だが、その強化バージョンといったらいいだろうか。ボールを奪った後に持ち出していくドリブルが速く、前線へ駆け上がるランニングも速い。パス回しも上手いが、基本的には堅守速攻型である。「1軍」とはまた違ったスタイル、メンバー構成だが、これでも十分強いのだから選手層が厚い。

 チリとドイツはグループリーグで対戦していて、そのときは1-1のドローだった。南米王者チリは、メンバーもほとんど変わらずコンビネーションが確立されている。年齢層は高くなったが球際は相変わらず強いしよく走る。

 世界王者のドイツは若手中心なので経験値はチリに及ばず、戦術的にも変幻自在のチリと比べればシンプルだ。あまり作り込んでいないぶん、若い選手がのびのびとやれているのかもしれない。チリがやや有利な気がするが、面白いファイナルが期待できそうだ。

(文:西部謙司)

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