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再び関心高まる乳がん検診:「高濃度乳房」と言われたら? --- 松村 むつみ

7/1(土) 8:01配信

アゴラ

先日、小林麻央さんが34歳の若さで乳癌により亡くなられました。衝撃を受けられた方々も多かったと思います。同時に、生きているありがたさを実感し、乳癌検診を含めた、ご自身の体の健康チェックについて、あらためて考えられたという方もいらっしゃるかもしれません。

食生活や生活習慣の欧米化に伴い、近年増加の一途をたどっている乳癌。女性では罹患率が第一位で、2016年の罹患数予測では90000人となっており、これは2006年の49772人の2倍にのぼる勢いです。

6月5日に行われた「第22回がん検診のあり方に対する検討会」において、厚生労働省は「高濃度乳房であることを受信者に通知する」ための体制づくりをすすめていく方針を示しました。

「高濃度乳房」というのは、乳腺密度が高いために、マンモグラフィを撮影すると乳房の大部分が白くうつってしまい(癌も白くうつります)、癌がかくれてしまい、見逃されるリスクのある乳房のことです。日本人などのアジア人に多く、40歳代までの若年者で多いことが知られており、日本人女性では50-80%程度の頻度といわれています。放射線診断医であるわたしは、3Dを含むマンモグラフィ画像を毎日読影していますが、高濃度乳房が多いことは日々の診療からも実感できます。最近では、更年期障害に対するホルモン治療などの影響もあり、閉経後に乳腺が少なくなっていくはずの高齢者でも高濃度乳房の人が増えています。アジア人と比較して、欧米人では比較的高濃度乳房が少ないことがわかっています。

乳がん検診は、過剰診断が近年話題になっていますが、欧米での研究で死亡率低下(20-30%程度)が証明されている唯一の早期発見の手段であり、わが国では、40歳以上に対して2年に1回の検診が推奨されています。

(1)アメリカでは半数近くの州で「高濃度乳房」の通知義務がある

現在、アメリカでは半数近くの州で「高濃度乳房」の通知義務が制定されており、また、「高濃度乳房」と判定された受信者には保険で乳房超音波が受けられると法律で定めている州もあります。アメリカで「高濃度乳房」の通知が法制化されたのは、ひとりの乳がん患者による社会運動がきっかけでした。

コネチカット州に在住していたNancy M. Cappelloさんは、40歳になって以降11年間マンモグラフィによる検診を受け続けていましたが(以前アメリカでも40歳以上がマンモグラフィ検診の適応でしたが、現在では改められ、50歳以上2年に1回が推奨されています)、毎年「異常なし」と通知されており、規則正しい食生活、運動もこなしていました。

ところが11年目になる年に、マンモグラフィを終えたあとの触診で、しこりを指摘されたのです。マンモグラフィでは異常は指摘されませんでした。その後、超音波を行ったところ、2cmを超える腫瘍とリンパ節転移が発見され、ショックを受けました。当時、アメリカ医師の間では、高濃度乳房だとマンモグラフィで癌が発見されにくいというのは常識でしたが、患者たちには知らされていませんでした。

NancyさんはNPO法人であるAre you dense?(R)を立ち上げ、コネチカット州の上院議員の支援のもと、高濃度乳房の人に対し、乳がん検診に乳房超音波検査を追加する費用負担を認める法律を成立させ、その後、高濃度乳房の人への説明義務とマンモグラフィ以外に受けるべき検査を医師に相談できることを定めた法律制定にも成功しました。この動きは全米に広がり、2015年7月までに、50州のうち24週で類似の法律が制定されています。

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最終更新:7/1(土) 8:01
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