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警察庁がパチンコ改正案を検討。出玉と景品の上限を引き下げる見通し

7/1(土) 9:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 パチンコを主管する警察庁が、パチンコのギャンブル性低減に向けて具体的な動きを見せている。業界誌等の情報によれば、警察庁は、パチンコ遊技機の仕様を規定している「遊技機規則」の改正案を業界に示したとされている。

 今回の警察庁の規則改正の背景には、カジノ実施法の礎とされる「ギャンブル等依存症対策法案」成立に向けた動きがあり、警察庁は政府が主導する、ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議において、遊技機の出玉性能の見直し等を明示していた。

 今後、パチンコ遊技機の性能はどうなるのか。警察庁が示した規則改正案は実効性を伴うのか。

◆パチンコ遊技機の出玉性能は、現行の3分の2程度に

 警察庁が示している規則改正案を見てみると、まずは1回の大当たりで獲得できる出玉の上限を、現行の2400個から1500個程度に引き下げる。1玉4円で金額換算するならば、1回の大当たりで9600円程度の出玉を獲得できたのが、6000円程度にまで下がるということだ。

 これは、パチンコ依存とされる人たちの約7割が、月に5万円以上負けており、その人たちの遊技時間が大体4時間程度ということを鑑み、4時間遊技しても5万円以上は勝てないという仕様に変える。要は負け額を取り戻そうとするから、よりパチンコに嵌る訳であって、取り返せないと分かっていれば無駄にお金を使わないだろうという発想である。

 併せてパチンコの出玉と交換できる景品の上限額も、現行の1万円から6000円に引き下げられる。

 またパチンコメーカーが新たに開発しようとしている「管理遊技機」も概ね承認される方向だ。管理遊技機とは、インターネット通信により、パチンコ遊技機の出玉情報等を常に監視できる遊技機であり、警察庁としてはこの様な遊技機が、依存対策にも有効だと考えている。

 今回の遊技機規則改正案には、パチンコ機にもパチスロ機のような「設定」を容認する文言が含まれており、業界関係者の話によれば、パチンコの「設定」は、この管理遊技機に搭載されるものではないかと言う。

◆パチンコの出玉規制はいつからなのか? スロットは?

 今回の情報は、あくまで警察庁の案である。が、概ねこの方向で規則が改正されるのは規定路線とも言える。パチンコ業界としては、この規則がいつから施行されるのかが最大の注目点である。

 改正案によれば、仮にこの規則改正案の内容が確定し、交付された場合は、概ね5か月後の施行を考えており、施行されれば、パチンコメーカーは、新たに出玉制限された遊技機しか作れなくなる。8月1日に交付されれば1月1日から、9月に交付されれば2月1日からの施行だ。要は年明けからは新たな規則に沿った遊技機しか製造できないことが予想される。

 問題は、現在、ホールに設置されている遊技機である。新たな規則になれば、ホールは全台撤去しなくてはいけないのか。

 この点に関して規則案では、現在設置されている遊技機に関しては、「認定・検定の有効期間(3年間)は施行日後も経過措置による、引き続き営業所への設置を認める」としている。

 パチンコ遊技機は、基本的に3年間の使用が許可されており、公安委員会の許可が出れば更に3年間の使用が認められる。

 現状設置されている遊技機は、最長で3年間は使用が可能ということになる。ただ現行、ホールの最新の主力機として設置されている「北斗の拳」や「必殺仕事人」等の遊技機は設置から3年間ということになるので、2020年までにはすべて撤去されるということになる。

 今回、警察庁の規則改正案は主にパチンコ遊技機の規則に関わることであって、パチスロ遊技機については言及されていない。しかし、パチスロに関しては、業界が自主的に進める、高射幸性遊技機の撤去が段階的に行われており、本年12月にはパチスロ総設置台数の30%までに引き下げる方向である。

 さらに今後は、パチンコ遊技機の規則改正の影響を受けるのは必至で、パチンコホールとしては、パチンコ、パチスロの両面からの規制を受けることになる。

 政府のギャンブル等依存症対策の推進により、既存のビジネスモデルが破壊されつつあるパチンコ業界は、このまま衰退の一途を辿るのか。大手、中小関わらず、パチンコ業界は今、史上最大の苦境に立たされている。

<文・HBO編集部>

ハーバー・ビジネス・オンライン